プロの碁は美しいと、感じることがあるでしょう。そう感じるときは、じつは上達する好機なのです。無駄のない流れるような布石というのは、プロの感覚と理論のバランスが取れた、洗練された内容が詰まっています。それを見て美しいと感じるなら、吸収する下地があなたに備わっているということですから、自信を持っていいでしょう。
　ただし、下地が備わっているのと、身につけているのでは大違いですから、実際に吸収して上達するためには、勉強しなければなりません。碁を打っているだけで上達するのは、天才少年に限られます。あなたが、10歳以下の少年少女でない限り、努力なくして上達はありません。本書が、その手助けになれば幸いです。

プロローグ　美しい布石を打つために
　1．根拠に関わる急所は最優先
　2．ヒラキの必争点
　3．厚みは攻めに活かす
　4．戦いの意思を貫く
　5．相手を低位にする
　6．見合いの考え方

第1章　布石との出会い（5-8級）
　・ 基本的な図で慣れる

第2章　布石の形に親しむ（3-5級）
　・ やさしい布石の考え方

第3章　急所を見分ける（1-3級）
　・ 迷わず好点へ急ぐ

第4章　逃がせぬポイント（初・二段）
　・ 実戦で役に立つヒント

第5章　布石でリードする（三段以上）
　・ 美しい布石を身につける

教訓1　「ヒラキにも大小」
教訓2　「頭を叩かせない」
教訓3　「急所を逃がすな」
教訓4　「根拠の急所を急ぐ」
教訓5　「連絡に価値あり」