「原動力は楽しい♪」~関西棋院の秘蔵っ子、三島響初段「つるりん式観る碁のすすめ~こぼれ話」


 ここでは週刊碁連載中の「つるりん式観る碁のすすめ~四字熟語編」で書ききれなかったこぼれ話を紹介します。(つる=鶴山淳志八段、りん=林漢傑八段

 今回から瀬戸大樹八段を招いての関西棋士編。トップバッターはいつも元気な関西棋院のムードメーカー、三島響初段でした。その明るさと前向きさで最近知名度が上がってきていますが、三島初段はまだ入段3年目。ご存じない方も多いでしょう。そこで今回は三島初段の人柄を探るべく、インタビューを行いました。

(インタビュア=編集K)



  • ― 本日はよろしくお願いいたします。
  • ○ よろしくお願いします。いつもつるりんコラム、楽しく拝見してます!
  • ― それは嬉しいです。ありがとうございます。さっそくなのですが、響さんが碁を始められたきっかけを教えてください。
  • ○ 母と偶然関西棋院の前を通った時に、子ども教室をやっているのが見えたのがきっかけです。子どもたちがみんなすごく楽しそうにしているのがいいなと思った母が私に勧めて、それで始めました。
  • ― 関西棋院の子ども教室に入って、そのまま関西棋院の棋士になられたんですね。
  • ○ はい。そのままいっちゃいました(笑)。7歳から教室に通うようになったのですが、13年経った今、私は子ども教室の講師をさせていただいてます。めぐりめぐって自分が習っていた教室で先生ができて、すごく嬉しいです。
  • ― 生粋の関西棋院っ子なんですね。先ほどお母さまの勧めとのことでしたが、ご家族は囲碁をなさるのでしょうか。
  • ○ 知っていて囲碁教室に行ったわけじゃないんですけど、おじいちゃんとひいおじいちゃんができました。お父さんも私と一緒に碁を始めて、ひいおじいちゃんが亡くなるまではお正月になると家族で4世代リーグ戦をしていました。
  • ― それは素敵ですね!お父様はご一緒に始められたとのことですが、今はどのくらい打たれるのですか?
  • ○ アマ三段くらいです。すごくハマって今もよく碁会所に行っています。
  • ― 響さんは碁のどんなところが好きでプロを志すようになられたんですか?
  • ○ 毎日新しい発見があるところです。一つとして同じ棋譜がなくて、どんなにやっても分からないことがたくさんある。すごく楽しいです。
  • ― プロになられてからの生活はいかがですか?
  • ○ ずっとこのまま生きていたいくらい楽しいです!
  • ― それはすごいですね。負けてつらいこととかはないですか?
  • ○ 私、メンタルだけは強靭なんです(笑)。大抵の負けは「負けました」という時にはもう切り替わってるし、ひどい逆転負けでも一晩寝れば全部リセットされます(笑)。
  • ― 強靭というか、もう無敵ですね(笑)
  • ○ 多くの棋士の方が悔しい気持ちをバネにしているところがあると思うんですけど、私の場合は圧倒的に楽しいが原動力なんです。元々の性格は負けず嫌いだったし、そんなにメンタル強くなかったと思うんですけど、ある時、自分の場合には楽しいをモチベーションにした方が、結果が出るなっていうことに気付いたんです。
  • ― 瀬戸八段もおっしゃっていました。「プロ入りに苦労する子が多い中、響ちゃんは試験でしっかり実力を出し切れてた」って。
  • ○ あのプロ試験はもう本当に奇跡でした!今もう一度同じメンバーで試験をしたら全然自信がありません(笑)。
  • ― 響さんは明るくて楽しくて最高ですね!今後、どんなことをしていきたいですか?
  • ○ 色んな方とお話しするのが大好きなので、イベントのお仕事とか、聞き手とか、指導碁とか、ぜひやりたいです!あと、趣味でいうと、料理を頑張ります。最近はほぼ毎日作っていて、ツイッター見てくださっている方から「肉ばっかりだね」と言われることもあるんですけど、意外と魚料理もできます(笑)。
  • ― 瀬戸八段が「響ちゃんの大きい声が響いてると元気が出る」とおっしゃっていましたが、本当ですね!これからのご活躍、応援しています。
  • ○ ありがとうございます!頑張ります!
記・編集K