今日から魔王【とある編集室の井戸端会議】



新人編集サイトウ
急な異動で周囲の囲碁会話が呪文に聞こえる日々を過ごす、週刊碁歴3ヵ月のアラフォー。棋力は10級。アニメとワインで現実逃避中。心の師匠は「本因坊算砂」

先輩編集ホリー
ヒカルになるんだ!と意気込んだものの高段止まり。いつの間にか週刊碁歴10年になっていたアラサー。某ネコ型ロボットのグッズ集めが癒し。心の師匠は「東方不敗マスターアジア」
  • サイトウ「今日も今日とて出張へ。いや~、つらいわ~、敏腕編集はつらいわ~」
  • ホリー 「お疲れ様です」
  • サイトウ「パイセン、最近何時間くらい寝てます?」
  • ホリー 「寝ないとダメなほうなので、だいたい8時間くらいは」
  • サイトウ「いいな~、そんなに寝てるんすか~。僕は出張中、実質2時間くらいしか寝てないっすわ~。いや~、年かな~。つらいっすわ~。前までは全然寝なくて余裕だったのにな~。2時間睡眠つらいっすわ~」
  • ホリー 「『地獄のミサワ』ムーブ、えらいピッタリきますね。顔も似てるし」
  • サイトウ「またまた~、こんなイケメン捕まえて。......またまた~。え?似てる?」
  • ホリー 「で、何を話したいんですか?」
  • サイトウ「今回は関西オープンの取材に行きました。どうせ大阪に行くならということで、それに加えて書籍担当者から重大ミッションを仰せつかっていたのです。新刊を上梓された石井邦生先生からコメントを頂戴するというね。こんなに働いたら、寝不足にもなりますよね~」
  • ホリー 「ほぉ」
  • サイトウ「今回のテーマは、ついに発売!新刊『今日から魔王』。その面白さを語る!」
  • ホリー 「......そんな本でしたっけ?」
  • サイトウ「間違えました。↓こちらです」


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  • ホリー 「全然タイトル違うんですけど」
  • サイトウ「魔王うんぬんは、僕の提案したタイトルです。センスの塊だと思うのですが、なぜかボツになりました」
  • ホリー 「アニメからそのまま持ってきただけのタイトルに、センスとか言われても」
  • サイトウ「リスペクトですよ、リスペクト。そのへんの機微がわからないかな~」
  • ホリー 「まぁいいです。では『私と井山、師弟の歩み』の面白さ、語ってもらえますか?」
  • サイトウ「まずね。この本は、石井先生が自身の半生と、魔王・井山をいかに育てたかを語る一大スペクタクルです。パイセンは、師弟の出会いを知っていますか?」
  • ホリー 「『ミニ碁一番勝負』というテレビ番組に出演した井山さんが大人相手に5連勝。その場に居合わせた石井先生が、才能を見出した...って感じだったはず」
  • サイトウ「じゃあ井山少年の、どこに才能を見出したのでしょう?」
  • ホリー 「読みの速さとか?」
  • サイトウ「やっぱりな~、その程度の認識ですよね~」
  • ホリー 「......。正解は?」
  • サイトウ「本当は買って確かめるところなんだけどな~。特別ですよ? 当時、超早打ちだった井山少年。ところが大事な局面ではピタッと手を止めるのです。教えてもなかなか身につかない能力を、6歳の子が自然に身に着けていた。石井先生はそこに天賦の才を感じたそうです」
  • ホリー 「なるほど」
  • サイトウ「ってな感じでね、知ってるようで知らない魔王の幼少時代が深くわかります。井山さんの囲碁人生って、順風満帆だと思いません?」
  • ホリー 「捉え方にもよるでしょうけど。20歳で名人獲得ですからね」
  • サイトウ「それが違うんだな~。入段前の時点から、本人、ないしは身近な人からすれば、壁となる出来事があったみたいなんですよ」
  • ホリー 「ほほぅ。詳しく」
  • サイトウ「ふふふ。わかるでしょう?」
  • ホリー 「......」
  • サイトウ「買って確かめるのです。やっぱりね、挫折なしで強くなる人はいない。魔王も人間なんだな、と感じることが出来ますよ」
  • ホリー 「なるほど。もう何点かオススメポイントお願いします」
  • サイトウ「ふふふ。この欲しがりさんめ。では最大の目玉を紹介しましょう」



  • サイトウ「当時、井山さんが院生時代の棋譜などを石井先生に送付し、添削してもらっていたのは有名な話。この度、ついにその具体的な中身が明かされるのです!」
  • ホリー 「おお!」
  • サイトウ「石井先生の言葉を一つ。『裕太君に手どころはしっかり読みなさいと忠告したはずです。こんな間違いをするようではプロになれません』」
  • ホリー 「結構厳しい言葉も投げかけていたんですね」
  • サイトウ「そればかりでもなくて、近況や激励など様々。『先生はカゼでダウン。ひどい目にあったけど、もう大丈夫です』『段々内容がよくなってきたよ。頑張って全勝をめざそう』などなど」
  • ホリー 「おお!それは仕事抜きで興味あります」
  • サイトウ「石井先生曰く『気恥ずかしくて公開する気はなかった』という極秘文書ですからな。さらに!」
  • ホリー 「さらに!?」
  • サイトウ「ほとんど棋譜は残っていないという師弟の指導碁。今回は、その中の1局を発掘!石井先生の解説と共に掲載しています!」
  • ホリー 「おお!どうなんですか、リトル井山の打ちぶりは?」
  • サイトウ「読みの力が、すでにものすごいってことらしいです。でも、10級の僕にはよくわからないので」
  • ホリー 「......買って確かめろと」
  • サイトウ「いい本ですよ、ほんとに。他にも師弟対談、石井先生と親しくされている大竹先生、林先生などからの寄稿など、盛りだくさん! パイセンも買いますよね!」
  • ホリー 「えっ!? 見本を読ませてもらうつもりでしたけど......」
  • サイトウ「パイセン......いや、師匠! 僕はね、尊敬してるんですよ。週刊碁に来て早数か月。師匠の仕事に対する姿勢を!(流すところは適当に流すあたりなんか特に!) 本の1冊や2冊、バーンと自腹切る男気を!」
  • ホリー 「......そうですか。師匠かー。そうですよね。まぁ、尊敬しちゃいますよね。そうですよね。......うん、買いましょう」
  • サイトウ「Yeah!」
  • ホリー 「師匠か~。今まで甘やかしてきましたけど、石井先生を見習って時には厳しくいかないとですね」
  • サイトウ「......ん?」
  • ホリー 「いつまでも10級なんて言われちゃ師匠の名折れ。そうですね、詰碁と手筋は1日1冊ノルマとして......。あぁ、井山さんは実戦派か。ネット対局1日10局もつけましょう」
  • サイトウ「......」
  • ホリー 「ん? 不安ですか? 安心してください。僕も2時間睡眠の覚悟です。付きっ切りで鍛えますから」
  • サイトウ「あ、やっぱり破門でお願いします」

  • ※ 「私と井山、師弟の歩み」は全国の書店で本日発売!11月16日発売の週刊碁には、石井九段、井山棋聖のコメント付き紹介記事も掲載予定です。よろしくお願い致します。