関が勝利 奪取まであと1勝【第47期天元戦挑戦手合五番勝負第3局】


一力遼天元
VS
関航太郎七段

 天元連覇を目指す一力遼天元関航太郎七段が挑戦する 第47期天元戦挑戦手合五番勝負 (主催:新聞三社連合・日本棋院・関西棋院
第3局が11月25日(木)福岡県久留米市「ホテルマリターレ創世 久留米」で打たれ、関が182手までで白番中押し勝ちをおさめ2勝1敗、奪取まであと1勝となった。終局時刻は16時36分。残り時間は一力が1分、関が2分だった。
 次の第4局は12月6日(月)兵庫県洲本市「ホテルニューアワジ」で行われる。

 対局の模様については 「日本棋院囲碁チャンネル」の映像ライブ配信、 およびネット対局「幽玄の間」等にてご覧いただけます。
 また詳細・解説については、天元戦掲載紙各紙( 北海道新聞中日新聞東京新聞西日本新聞神戸新聞徳島新聞)の掲載の解説、 毎週月曜日発売の「週刊碁」、 毎月20日発売の月刊誌「碁ワールド」等にてご覧いただけます。


コメント

関航太郎七段
(下辺の攻防では)
ツケ(白26)て(黒27に対して)切っていくのは、あまりよくなさそう。他の打ち方も分からなくて、手抜きも考えたが自信が持てなかった。先が見えないのでとりあえず仕掛けていった。生き生きとなった結果はそんなにいいとは思わなかった。

(白68と中央に構えた辺りでは)
「そんなにいいとは思わなかったが、広いのでこれからかなと思っていた。黒69と打たれて それに対してあまり打ちたい手が無かったので、白70は他に思いつかなかったのでやってみたが、黒79とヒラかれてやはり上辺が荒れてしまって甘かった。

(中盤の攻防では)
「白84とキリが入って盛り返したような感じで、白100と引いた辺りはそんなに悪くないのではと思っていた。白102とハネて白108と切っていったのは、そこの打ち方が分からなくて、実戦の展開は予想していたがちょっとやり過ぎの様な気はしていた。白130のキリに対して、単に4-五にツケられる方が打ち方が分からなかった。(黒の大石が)取れたと思ったのは本当に最後の最後、投了の局面くらいだった。

(全体を振り返って)
ずっと判断が難しい碁で、特にハネてノビ(白102,104)辺りの打ち方が難しくて、多分間違えていると思うが、それなりに実力は出せたかと思う。

(次局に向けて)
最近は色々忙しく、今日の対局は精神的にも疲れていてちょっと厳しいかと思っていたが、いい形で4局目を迎えられるので2週間しっかり準備したい。
一力遼天元
(下辺の攻防では)
ツケフクラミから切ってこられるのは、最初は考えていなくて、ツケヒキでもっと他のいい手があったかもしれないがちょっと分からなかった。実戦ならいい勝負かと思っていた。

休憩の辺りはしょうがないかと思っていたが、白84と切られて、切られた石がすっきり取れないのが誤算で、黒83でつないでいた方がよかった。または黒79でヒラいた手で先にノゾいて積極的にやっていく方がよかった。

切られた黒としては一応かなり地が増えたのでしょうがないのかなと思っていたが、結果的には半分捨てて地合いで行くようなコースを選ぶべきだったかもしれない。

実戦でもなんとかなるかと思っていたが、白132と打たれた時点でなかなかはっきり生きが見えなかった。正しく打てば際どそうではあるがはっきりした生きの図は見えなかった。

(一局を振り返って)
判断が難しかったが、白84と切られて受け気味の展開になってしまったので、ちょっとまずかった。最後は正しく打てれば難しかったと思うが分からなかった。
関、初の七大タイトル挑戦で奪取なるか
追い込まれた一力、次局でタイに戻せるか
同時進行の王座戦は第3局まで全て黒番勝ち、逆に天元戦は第3局まで全て白番の勝ちとなった
新聞解説の張豊猷八段、YouTubeメイン解説者としても大活躍
福岡県柳川市出身の大淵盛人九段、YouTubeではこの地域にまつわる話、対局者の院生時代の話など展開
大盤解説会は円田秀樹九段と安田明夏初段
安田は初の大盤解説聞き手役を堂々と務め上げた
終局後は対局者も登壇
来場した囲碁ファンを沸かせた
対局場の「ホテルマリターレ創世 久留米」風雅な庭園と茶室を備えるシティホテル




第3局陣容

タイトルホルダー 一力遼天元
挑戦者 関航太郎七段
立会人 坂口隆三九段
新聞解説 張豊猷八段
記録 大西研也四段辻華初段
大盤解説 解説:円田秀樹九段、聞き手:安田明夏初段
幽玄の間解説 石田篤司九段
日本棋院囲碁チャンネル 張豊猷八段


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