一力が粘り勝ち【第46期棋聖戦挑戦手合七番勝負第3局】


 囲碁界最高位の棋戦「棋聖」の前人未到10連覇を目指す井山裕太棋聖一力遼九段が挑戦する 第46期棋聖戦挑戦手合七番勝負 (主催:読売新聞社・日本棋院・関西棋院) 第3局が長崎県西海市「オリーブベイホテル」で打たれ、白番・一力遼九段が252手で中押し勝ちをおさめ、シリーズ2勝1敗としました。終局時刻は19時42分。

 第4局は2月18日(金)・19日(土)に山梨県甲府市「常磐ホテル」で行われます。

 対局の模様については 「日本棋院囲碁チャンネル」の映像ライブ配信、 およびネット対局「幽玄の間」等にてご覧いただけます。
 また詳細・解説については、読売新聞の観戦記、 毎週月曜日発売の「週刊碁」、 毎月20日発売の月刊誌「碁ワールド」等にてご覧いただけます。


乱戦に持ち込んでからの驚異的な粘りで一力が勝利
黒星先行の井山、次局巻き返せるか
村川九段・孫七段というレアな組み合わせのYouTube解説。配信外でも仲良く談笑する姿が尊かった
定番のフルーツ盛り合わせも上品なたたずまい
対局場のオリーブベイホテル
ホテルの窓からは大島造船所が見える
難しい局面が続き関係棋士は終始検討に没頭した
対局には大島造船所が所有する碁盤・碁笥・碁石が使用された

コメント

一力遼九段
序盤の白38からの構想があまり良くなさそうで、ちょっと1日目は大変な進行かなと思っていました。
中央と左辺のフリカワリになった時は少し得したような気はしてたんですけど、左辺の応対がかなりまずくて黒185と出切られた辺りははっきり負けかなと思ってました。攻め取りだと少し大変かなと。左辺の受け方でもう少し良い図があったような気はしました。
実戦のようにコウになって4目取れれば仕方ないかなと思っていたんですけど、まだちょっと左下の辺りが計算できていなかったので、勝ちがわかったのは白224と先手で1目取って他のヨセにまわった辺りで少し残るかなという感じでした。
本当のこの碁はわからないことだらけだったので、課題を修正して第4局に臨みたいと思います。
井山裕太棋聖
(封じ手以降の折衝は)あんまり良い打ち方ではないと思っていたんですけど他の図もいろいろわからなくて、一応長期戦かなとは思っていたんですけど正しい判断はできていなかったです。
(白128からの乱戦模様は)一手先もわからない展開が続いたんですけれども、その前に白116と左辺に先着されてちょっと甘かったのかな、というのがあったので、そこからは苦しいのかなと思って打っていました。
(控室では黒189でツグのが有力という見解でしたが) 攻め合いの具合も当初、ちょっとうっかりしていたこともあって攻め取りでも行けそうな気も確かにしたんですけど、そう打てなかったのはちょっと...。ただ冷静に見ればその時点では少し良くなっていたかなと思います。
(次局は)気持ちを新たに精いっぱいやりたい。




第3局陣容

タイトルホルダー 井山裕太棋聖(名人・本因坊・王座・碁聖)
挑戦者 一力遼九段
立会人 坂口隆三九段
新聞解説 村川大介九段
観戦記者 大橋成哉七段
記録 鳥井裕太三段大森らん初段
幽玄の間解説 孫喆七段
日本棋院囲碁チャンネル 大橋成哉七段、孫喆七段、他


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