シリーズの難所〝勧進帳〟第4局始まる【第42期名人戦挑戦手合七番勝負第4局】


 高尾紳路名人井山裕太六冠が挑戦する第42期名人戦挑戦手合七番勝負(主催・朝日新聞社)の第4局が10月2日(月)9時に石川県小松市「旅亭懐石のとや」で始まった。高尾の先番。持ち時間は各8時間。1日目は、本日夕刻に封じ手による打ち掛けとなり、3日(火)に2日目が打ち継がれる。

 第3局まで井山の2勝1敗。井山がシリーズ制覇に〝リーチ〟をかけるか、高尾が踏ん張り並ぶか――。注目の対局の詳細については朝日新聞の報道と観戦記、週刊碁月刊碁ワールドの記事にてお楽しみください。

両対局者による決意表明

井山挑戦者「私はこの石川県には対局でも毎年来させて頂いておりますし、本当に数え切れないほど来させていただいているんですけど、この小松市に来させていただくのはなぜか初めてです。こちらは非常に食べ物も温泉もすばらしいという風にお聞きしていたので、楽しみにしてまいりました。今日こちらに到着してから、安宅住吉神社に御参りに行かせて頂きましたけれど、難関突破の神様がおられるということで、私にとっても明日からの第4局というのは大変な難関で、その神様のお力もお借りして、なんとかその難関を突破できるように精一杯頑張りたいと思っています。自分なりに精一杯ベストを尽くして、皆様に喜んでいただけるような戦いができるように頑張りたいと思います」
高尾名人「石川県に初めて来たのは、多分20年位前に師匠の藤沢秀行先生(名誉棋聖)の仕事のお供で来させて頂いたんですけど、実は僕は師匠とお酒を飲んだことがほとんどなく、初めて一緒にお酒を飲んだのはこの石川県の地でよく憶えています。その時のお酒がとてもおいしかったので、すっかり石川県のファンになりました。また、ここ『のとや』さんには、すばらしい対局場を用意していただいて本当に非常に感謝していますし、(現地到着後に)温泉に入らさせていただいて疲れも吹っ飛びましたので、明日からはいい碁が打てるような気がしております。対局場に着く前に安宅住吉神社に神社に立ち寄り、井山さんと同じように参拝させていただいたんですけど、井山さんから見ると僕に勝つのは難関でもなんでもない当然のことだと思うんですけど、僕が井山さんに勝つのは非常に難関なので、難関突破の神社で必勝を祈願させていただき、その効果でいい碁が打てるような気がします。明日から精一杯頑張りたいと思います」


第4局は高尾(左)の先番。初手は右上隅の星からスタート

前夜祭にて地元の歓待を受けた両雄。左端は地元・小松のゆるキャラ「カブッキー」

勧進帳で有名な安宅住吉神社。難関突破の神様がいらっしゃるという

高尾と井山も〝難関突破〟の祈りを捧げる。神様はどちらに微笑むのか?

前日の対局室の検分。打ち味を確かめる二人。戦いがもう始まっているような緊張感だ

第42期名人戦七番勝負第4局午前の途中まで

白:井山裕太六冠 黒:高尾紳路名人


(幽玄の間解説:三谷哲也七段

現地陣営

立会
羽根泰正九段
新聞解説
伊田篤史八段
現地大盤解説
解説 : 下島陽平八段、聞き手 : 金賢貞四段
記録
熊本秀生三段伊藤健良二段

特設サイト、関連リンク

朝日新聞デジタルでは「囲碁名人戦七番勝負タイムライン」で対局の様子を報道しています。
日本棋院ネット対局「幽玄の間」でライブ中継いたします。
また、ニコニコ生放送でも生中継いたします。
第42期名人戦挑戦手合七番勝負特設ページはこちら
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