自分らしく楽しい碁を~上野愛咲美女流棋聖、二十歳の誓い【コラム:品田渓】


 女流棋聖を最年少(16歳3カ月)で獲得、竜星戦準優勝、数々の記録を塗り替えてきた上野愛咲美女流棋聖が10月26日、二十歳を迎えた。10代を振り返ってどんなことを思うのか、20代に向けて新たな目標は何か、話を聞いた。

―10代、特に棋士になってからを振り返ってどんなことを思いますか?

 予想よりも結果を出せたと思います。毎年、何か記録になるようなことを達成したいと思っているのですが、竜星戦準優勝や崔精九段に勝てたことは当時、目標にもしていなかったようなことだったので嬉しかったです。

―今年はどんな年でしたか?

 今年は前半の調子がよかったです。囲碁フォーカスの講師をしたのが楽しくて、いい気分転換になったみたいで。ただ、後半は少し調子が下がってしまったかもしれません。毎年何か記録を残すという目標も新人王戦で負けてしまいましたし...。

―でも、今年は最多勝利賞があるかもしれませんよ。(年間成績42勝21敗、10月26日時点)

 あ、そうでした(笑)。

―10代を振り返って、課題だと思うことはありますか?

 ヨセ。とにかくヨセです。最近は里菜先生(藤沢里菜女流本因坊)に後半で逆転されて負けてしまうことが多くて、半目負けとかもありました。なので、今は特にヨセの勉強に力を入れています。

―二十歳になりますが、20代の目標を教えてください。

 自分らしく楽しい碁を打ちたいです。具体的には決めていないですが、毎年、何か記録に残ることをする、というのはこれからも目標にしていきたいです。
 あと、NHK方式が一番得意だと思うので、早碁棋戦と、SENKO CUP等の世界戦は特に力を入れていきたいです。

―二十歳になってやりたいことはありますか?

 うーん...。勉強量を増やしたいですね。

―勉強量ですか!?

 はい。10代はまだまだ甘かったと思うので。あと、運動したいですね。

―どんな運動ですか?

 里菜先生、謝先生(謝依旻七段)、一力先生(一力遼天元)にどんな運動をしているか聞いてみたんですけど、みんな散歩してるって言うんですよね。それも、3時間とか、ただ散歩するらしいんです。ただそんなに歩くってどんな感じなのか想像できないんですけど、強い人はみんなしているみたいなので、ちょっと取り入れてみたいと思っています。

―二十歳になってやってみたいことは散歩ですか...。お酒はいかがですか?

 父はお酒好きなんですけど、母は全然飲めないので...。家族で飲んでみて、大丈夫そうだったら外でも飲んでみたいかな。

(インタビュアー・品田渓)
「10代の自分に点数を付けると77点から83点のあたり」と話す。
「まだまだ勉強が足りない」。20代はさらに碁に没頭する予定。
2016年、入段直前の合同表彰式にて。当時14歳。
第21期女流棋聖就位式にて師匠の藤澤一就八段と。当時16歳。
第28期竜星戦決勝対局後。一力遼竜星に敗れるも笑顔を見せる。
一力竜星との合同記者会見。座右の銘は「笑門来福」。