ザ・頑張り屋さん、西健伸五段~佐田篤史七段が語る魅力「つるりん式観る碁のすすめ~こぼれ話」


 ここでは週刊碁連載中の「つるりん式観る碁のすすめ~四字熟語編」で書ききれなかったこぼれ話を紹介します。(つる=鶴山淳志八段、りん=林漢傑八段

 佐田篤史七段をゲストに招いての関西棋士編、今回は関西棋院のホープ、西健伸五段(22)を取り上げました。与えられた称号は「一生懸命」。「とにかく一途にひたむきに頑張っている姿が印象的」ということです。
 佐田七段にとって西五段はかわいい後輩。最近では碁聖戦予選A決勝で西五段と対戦した一局の観戦記を自ら執筆したことが話題になりました。
 4歳違いと年齢が比較的近く、一緒に研究することが多いので、佐田七段は「西くんのことならだいたい何でも知っている」と言います。ということで、西五段を知り尽くす男、佐田七段に西五段の魅力を改めて聞いてみました。




  • - 西五段には「一生懸命」が当てられました。佐田七段がそう思うところを教えてください。
  • ● 彼はとても真摯に碁に向き合っていると思います。棋士の中でもなかなかないくらいに。僕なんかも勉強はしているのですが、気分が乗らないとサボったりするし、毎日って難しいんです。その点、西くんは本当にどんな日にも必ず勉強しています。自分で決めたことは絶対に守るので、やろうと思ってたのにできなかった、みたいなことがないんです。
  • - 西さんは昨年の新人王戦でベスト4、広島アルミ杯では準優勝でした。今期碁聖戦でも佐田七段を破って本戦入りしています。
  • ● そうなんですよ。僕、今彼に4連敗中なんです。だからっていうわけじゃないですけど、とても強いんですよ、西くんは。
  • - どんなところが強いのでしょうか。
  • ● ものすごく努力家なので、努力が物を言うヨミや計算は当然強いですし、序盤研究もしっかりしているので序盤も強い。あと、大局観が優れています。
  • - スキ無しですね。
  • ● 実力では頂点に立てるだけのものがあると僕は思います。ただ、メンタルが弱いのがちょっと・・・。
  • - と言いますと?
  • ● 勝たないといけないと思うと固くなってしまうみたいなんです。逆にチャレンジャーの気持ちで向かっていけた時は無類の強さを発揮します。
  • - ということは、佐田七段と対戦した時の西五段はチャレンジャーの気持ちでノビノビ打っていたということでしょうか。
  • ● あ、そこ気付きましたか!その通りです(笑)。まだ僕のことを強いと思ってくれてるみたいで、おかげで本領を発揮されて負けてばっかりです(笑)。西くんが僕に負け出したら「ああ、西くんは佐田を勝たなきゃいけない相手だって認識したんだな」って思ってもらっていいと思います(笑)。
  • - とても期待してらっしゃるんですね。
  • ● もちろんです。近い将来、若手棋戦の優勝やリーグ入りをすると思っています。
  • - 西五段に一言お願いします。
  • ● 一生懸命頑張っとるやん。自分も見習って頑張りますわ。次に打つときは負けへんで~。
  • - ありがとうございました。
記・編集K