国際女流棋戦・SENKO CUP直前スペシャル(第1部)―SENKO CUPの歴史を振り返る「つるりん式観る 碁のすすめ~こぼれ話」


 ここでは週刊碁連載中の「つるりん式観る碁のすすめ~四字熟語編」で書ききれなかったこぼれ話を紹介します。(つる=鶴山淳志八段、りん=林漢傑八段

 約1カ月後、4月8日に日本主催の国際女流棋戦、SENKO CUPワールド碁女流最強戦2022が開催されます!!ということで、「つるりん式観る碁のすすめ」ではより楽しくSENKO CUPを観るために、今週から日本、中国、韓国、中華台北の出場者を紹介することになりました。初回はミスSENKO、中国の於之瑩七段、第2回は於七段、宿命のライバル崔精九段、第3回は謎に包まれた中華台北の盧鈺樺三段、第4回には日本の藤沢里菜扇興杯の強さについて考察します。

 Webコラム「こぼれ話」でも日本選手団を応援すべく、盛り上っていきましょう!!とその前に、まずはSENKO CUPがどんな棋戦なのか、歴史を振り返ってみたいと思います。(以下、称号・段位は当時)

 SENKO CUP はその名のとおり扇興杯女流最強戦のワールド版です。2018年に第1回が行われ、日本からは扇興杯女流最強戦のベスト4メンバー、藤沢扇興杯、謝依旻六段向井千瑛五段牛栄子二段、海外からは中国の於六段、韓国の崔九段、中華台北の黒嘉嘉七段、欧州地域のナタリア・コヴァレヴァさん(アマ五段)が出場し、8名でトーナメント戦を争いました。
 結果は於六段の優勝、黒七段の準優勝、崔九段の3位、藤沢扇興杯の4位でした。於六段と崔九段の2強が準決勝で当たり、もう一つの山で黒七段が藤沢扇興杯に勝利。決勝戦は於六段VS黒七段になったのです。
 その後、第2回は優勝・於六段、準優勝・崔九段、3位・黒七段。第3回は優勝・於六段、準優勝・崔九段、3位・上野愛咲美扇興杯。第3回で初めて日本勢が3位に入りました。
 今、世界のレベルはとても高く、特に中韓の2人に勝つのは至難の業。しかし、その高い壁の向こうに優勝の栄冠はあります。これまでの歴史を振り返ると現実は厳しい。けれど、日本も年々レベルが上がっているのは確か。それは最近の女流棋士の活躍を見れば明らかです。溜めてきた力を発揮できるのか、今大会が一つの試金石になりそうです。

記・編集K


第1回SENKO CUPの決勝戦は中国の於六段VS黒七段となった。


第1回から3連覇中の於七段。