完璧超人登場の巻【とある編集室の井戸端会議】



新人編集サイトウ
急な異動で周囲の囲碁会話が呪文に聞こえる日々を過ごす、週刊碁歴2ヵ月のアラフォー。棋力は10級。アニメとワインで現実逃避中。好きな食べ物は、ゴルゴンゾーラチーズ。

先輩編集ホリー
ヒカルになるんだ!と意気込んだものの高段止まり。いつの間にか週刊碁歴10年になっていたアラサー。某ネコ型ロボットのグッズ集めが癒し。好きな食べ物は、激辛カレー。
  • サイトウ「突然ですが、二刀流といえば誰を思い浮かべますか?」
  • ホリー 「野球の大谷翔平さんが一般的ですかね、やっぱり。でも週刊碁編集として外せないのは――」
  • サイトウ「そういうのいいですから」
  • ホリー 「?」
  • サイトウ「もういいでしょ? カマトトぶるのはやめましょうよ」
  • ホリー 「??」
  • サイトウ「二刀流って言われて浮かんだのが、大谷? 嘘をつくんじゃない! 本当は違う人、いや...違うキャラが浮かんだんでしょ?」
  • ホリー 「......」
  • サイトウ「もう皆わかってますよ、アンタは同類だってね」
  • ホリー 「......」
  • サイトウ「好きなんですよね? アニメ」
  • ホリー 「......」
  • サイトウ「楽になりなよ」
  • ホリー 「......チャー」
  • サイトウ「もっと大声で!」
  • ホリー 「アーチャー......。最初に脳裏に浮かんだのは、赤い外套のアーチャー」
  • サイトウ「ふふふ。Fateね。それでいいんですよ。一緒に映画の最終章観に行きましょうか」
  • ホリー 「一人で行きます。で、サイトウさんは? 誰を思い浮かべたんですか? 二刀流で」
  • サイトウ「そりゃあ今をときめく新碁聖・一力遼さんに決まってるでしょう! 棋士と記者の二刀流! 神に愛された男! ちゃんと仕事してくださいよ、パイセン」
  • ホリー 「......了解した。地獄に落ちろサイトウ」

  • サイトウ「ということでね。一力さん、すごいですよねってお話」
  • ホリー 「碁聖獲得以降、負けなしです」
  • サイトウ「天元挑戦を決めて、応氏杯でも日本勢唯一のベスト4!」
  • ホリー 「応氏杯は燃えましたね! 準々決勝で一力さんが勝った瞬間、編集室では拍手が起きました」
  • サイトウ「泣いてた編集員もいましたよ」
  • ホリー 「棋院の7階にパソコンを設置してのネット対局。終局後すぐにその部屋へ向かうと、満面の笑みが迎えてくれました。あんなに嬉しそうな一力さんを見たら、僕も目頭が熱くなりましたよ」
  • サイトウ「いい話や。碁が強いだけでなく、頭もよくて、さわやか。イケメン。育ちもいい」
  • ホリー 「パーフェクト超人ですね」
  • サイトウ「ほんと、どこのネプチューンマンだっていうね! 何か弱点はないんですか!」
  • ホリー 「某同門棋士によると、女の子と喋るのが少し苦手だとか。碁の話以外だと何を喋っていいかわからないという。古い情報なので、今は克服済みかもしれませんが」
  • サイトウ「そんなの萌えポイントじゃないですか! 年上のお姉さんに可愛がられるやつじゃないですか! もっとこう僕が優越感に浸れるような弱点はないんですか!」
  • ホリー 「......。では、まずはこれをどうぞ」

  • サイトウ「お腹空いてきますね。って、弱点と関係なくないですか⁉」
  • ホリー 「まぁまぁ。ひとまず聞いてください。このラーメン、一力ファンならチェックしておくべき一品なんですよ」
  • サイトウ「ほほう~。辛い系かしら」
  • ホリー 「一力さんが情熱大陸に出演したときに食べていた『大塚家』の『辛味噌ラーメン』です。市ヶ谷駅からだいたい徒歩10分の名店」
  • サイトウ「ああ、あれか~! 腹もペコちゃんだし、こうなるとラーメン食べなきゃ収まりがつかない」
  • ホリー 「もちもちした太麺に濃厚ピリ辛スープの組み合わせ......ご飯がススムくんです。でも5席しかスペースがないので、だいたい行列が出来ています。僕が行ったときは40分待ちました」
  • サイトウ「並ぶ......。がーんだな......出鼻をくじかれた」
  • ホリー 「そんなあなたには、こちら」

  • サイトウ「これまた美味しそうなうどん」
  • ホリー 「手合日に一力さんがよく食べるという勝負飯です。つるつるしこしこのうどんに、たっぷりの薬味。さっぱりとした味わいが一力さんのお気に入り、『冷やしぶっかけうどん』也!」
  • サイトウ「ほー、いいじゃないか! 近い?」
  • ホリー 「『市ヶ谷 巴』。棋院から、徒歩2分くらいですかね」
  • サイトウ「そういうのを待ってました! ではさっそく!」
  • ホリー 「まぁお待ちを。一力さんの弱点って話があったでしょう」
  • サイトウ「え、あるんですか?」
  • ホリー 「今見てもらったように一力さんは、食べることが好き。市ヶ谷近辺のお店は、ほとんど行ったことがあるそうです。量もすごくて、ラーメンを食べた後に、つけ麺を頼むこともあったとか」
  • サイトウ「若いですね」
  • ホリー 「そう、若い。でもね、それだけ食べたらやっぱり出てくるんですよ。アレが」
  • サイトウ「まさか......」
  • ホリー 「お腹がね。やっぱりね。少しね。本人に確認したらね。『この前計ったら80キロを超えていて、さすがに衝撃でした(笑)』と」
  • サイトウ「パイセン、ファンに消されるんじゃ......」
  • ホリー 「本望。でね、身長は176センチ。数値だけを見れば、それなりの体形と言えるでしょう。どうです? サイトウさんが唯一優越感に浸れる情報では?」
  • サイトウ「......。僕の体重知ってますか?」
  • ホリー 「身長は同じぐらいですよね。何キロでしたっけ?」
  • サイトウ「......」
  • ホリー 「一力さんは適度に散歩したり、体も動かしているそうですよ。手合があれば、すごいカロリー消費だろうし。体重なんてすぐ減っちゃうんでしょうね。......で、サイトウさんのウエイトは?」
  • サイトウ「......」
  • ホリー 「ん?」
  • サイトウ「......。皆さん、この人は乙女の敵です! 近付いちゃダメ! ゼッタイ!」

  • ※ 9月14日発売の週刊碁では、応氏杯の詳細棋譜解説、さらに一力碁聖の半生を振り返るインタビューを掲載予定です。一力祭りをよろしくお願いします。