本因坊就位式で井山が号を発表 【第71期本因坊戦就位式】


第71期本因坊戦挑戦手合七番勝負(主催:毎日新聞社)を、4勝1敗の成績で5連覇を達成し永世本因坊資格を獲得した井山裕太本因坊の就位式が、9月9日に、大阪府大阪市「ザ・リッツ・カールトン大阪」にて行われた。

井山裕太本因坊は、就位式に集まったファンや関係者の前で本因坊の号を「文裕(もんゆう)」とすると発表した。
井山は5連覇を達成した翌日のインタービューで、「号は名乗られますか?」との問いに「就位式にでも発表できれば・・・」と号の発表を匂わせていた。

コメント

井山本因坊のコメント
「文裕(もんゆう)という号にさせていただこうと思います。
この号は、本因坊戦七番勝負が開幕する前、寂光寺にご挨拶に行かせていただきました。

今期、防衛させていただくことがあれば、号を名乗らせていただこうということで、大川ご住職にご相談しました。
開幕前に行ったので、今期負けてしまうとせっかく号を考えていただいたのに発表できずに終わってしまいます。今期は死ぬ気で頑張りました。
この号の由来は、のちほどご住職にご説明頂きます。
私が気に入った一つの理由は、文(もん)という字が、私の最初の碁の師匠である祖父の鐵文(てつふみ)の文であり、私自身気に入っています。
こういう形で号を発表できうれしく思っています。」


「本因坊文裕(ほんいんぼうもんゆう)」を発表する井山本因坊

大川定信 寂光寺貫主猊下 コメント
「文(もん)は文殊菩薩のことです。文殊菩薩は知恵を授ける菩薩様で、菩薩様は求道者のこと。菩薩は如来に向かって進む方です。
井山さんは、囲碁で求道されて素晴らしい成績を収めておられる。これから井山さんには文殊菩薩の大きな大きな知恵をいただき、囲碁から囲碁道の世界に入っていただきたい。このような思いで文裕(もんゆう)としました。」




祝辞を述べる桂ざこば師匠

名誉称号について

連続5期もしくは通算10期タイトルを獲得した棋士は、現役で60歳以上に達したときもしくは引退時に名誉称号を名乗ることができる。 また、連続10期以上(本因坊戦は連続9期以上)タイトルを獲得すると現役で名誉称号を名乗ることができる。
井山は7月28日に5連覇を達成した碁聖と合わせ、2つの名誉称号を獲得している。

歴代永世本因坊

二十二世本因坊秀格(第7期~第15期)

二十三世本因坊栄寿(第16期~第22期)
二十四世本因坊秀芳(第26期~第30期)
二十五世本因坊治勲(第36期~第37期、第44期~第53期)
二十六世本因坊文裕(第67期~現在)

過去に号を名乗った本因坊

棋士名 本因坊 号 よみ
1 関山利一 本因坊利仙 りせん
2 橋本宇太郎 本因坊昭宇 しょうう
3 岩本 薫 本因坊薫和 くんわ
4 高川 格 本因坊秀格 しゅうかく
5 坂田栄男 本因坊栄寿 えいじゅ
6 林海峯 本因坊海峯 かいほう
7 石田芳夫 本因坊秀芳 しゅうほう
8 武宮正樹 本因坊秀樹 しゅうじゅ
〃(2回目) 本因坊正樹 せいじゅ
9 加藤正夫 本因坊剱正 けんせい
10 趙治勲 本因坊治勲 ちくん
11 高尾紳路 本因坊秀紳 しゅうしん
12 山下敬吾 本因坊道吾 どうわ
13 井山裕太 本因坊文裕 もんゆう


[歴代本因坊戦優勝者]は本因坊戦のページでご参照ください。