井山3連勝で3連覇! 一力を寄せ付けず【第43期天元戦挑戦手合五番勝負第3局】


 井山裕太天元一力遼八段が挑戦する第43期天元戦挑戦手合五番勝負(主催・新聞三社連合)の第3局が11月24日(金)に福岡県宗像市「宗像ユリックス」で行われた。

 持ち時間は各3時間、5分前から1分の秒読みとなる。井山の2連勝で始まった今シリーズ。井山が一気に決めるか、一力がカド番を返すか、注目が集まった。
 結果は、16時50分終局、171手まで、井山の黒番中押し勝ちで3連勝となり、防衛を決めた。これで井山は天元3連覇、通算6期目となった。残り時間は黒番の井山が2分、白番の一力が1分だった。

 また、井山は挑戦手合である七大棋戦以外の棋戦を含めると今年のはじめの棋聖戦から、NHK杯、十段戦、本因坊戦、碁聖戦、名人戦、王座戦、天元戦まで、年間8棋戦で優勝を飾った。年間優勝回数の「8」は史上最多記録。これまでの記録は昭和39年の坂田栄男九段(二十三世本因坊坂田栄寿)、平成25年と27年に達成した井山の「7」だった。

 井山の通算タイトル獲得数は「48」となり、故・加藤正夫名誉王座を抜き、大竹英雄名誉碁聖に並ぶ史上4位タイとなった。

 詳細は、主催の新聞三社連合の新聞社の報道と観戦記(掲載紙はこちら)、天元戦特設サイト週刊碁月刊碁ワールドの記事にてお楽しみください。

両対局者の局後のコメント

井山天元「途中からずっと難しくて、途中からはまったく分からなかった。左辺のコウを解消してそれで良くなったかなと思った。(今シリーズを振り返って)どの碁もどちらに転んでもおかしくなかったので、結果的には運が良かったということだと思います」

一力挑戦者「実戦左辺のコウにされてはダメだったので、その前に何かしなければいけなかった。(今シリーズを振り返って)難しい碁が多かったですけど、秒読みになってから差が出てしまうことが多かった」



局後、リラックスしてインタビューを受ける井山

王座に引き続き、天元戦でも3連勝で決めた井山

局後、思わず(?)唇をかむ一力

広々とした大盤解説会場で解説するのは三村九段(右)と聞き手の木部二段

第43期天元戦挑戦手合五番勝負

黒:井山裕太天元 白:一力遼八段 黒番中押し勝ち

(「幽玄の間」解説、蘇耀国九段

天元戦挑戦手合五番勝負は、日本棋院ネット対局「幽玄の間」でライブ中継いたします。

現地陣営

立会
坂口隆三九段
現地大盤解説
解説:三村智保九段 聞き手:木部夏生二段
記録
大西研也三段大表拓都二段

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