井山勝利 奪取まであと1勝【第69期王座戦挑戦手合五番勝負第3局】


芝野虎丸王座
VS
井山裕太四冠
 

 3連覇を目指す芝野虎丸王座井山裕太四冠(棋聖・名人・本因坊・碁聖)が挑戦する 第69期王座戦挑戦手合五番勝負 (主催:日本経済新聞社・日本棋院・関西棋院) 第3局が新潟県南魚沼市「ryugon」で打たれ、黒番の井山が183手までで中押し勝ちをおさめシリーズ2勝1敗とした。終局時刻は18時30分、消費時間は両者2時間59分。

 次の第4局は12月3日(金)に神奈川県秦野市「陣屋」で打たれる。

 対局の模様については 「日本棋院囲碁チャンネル」の映像ライブ配信、 およびネット対局「幽玄の間」等にてご覧いただけます。
 また詳細・解説については、日本経済新聞、 毎週月曜日発売の「週刊碁」、 毎月20日発売の月刊誌「碁ワールド」等にてご覧いただけます。


これで井山の2勝1敗、奪取まであと1勝
今シリーズはここまで黒番が勝っている、次局白番で覆せるか
内容の良かった第2局に続いての連勝とはならなかった芝野
次局で巻き返しなるか
AIを活用して検討する解説陣
張栩九段も積極的にYouTube出演、相変わらずの人気でチャット欄も大いに盛り上がった
記録係の池本遼太二段、一目でコウを見抜く鋭いヨミを披露
突然の無茶振りにも快く応じて食レポに挑戦する宮崎龍太郎七段
鶴山淳志八段、幽玄の間解説・YouTube解説・設営・撤収と大橋成哉七段並みの大活躍
落ち着いた空間ゆえか検討室では終始穏やかな空気が流れていた
対局場ryugonの入口、この日の南魚沼は快晴で日中は過ごしやすい気温だった
洗練されて落ち着いたチル空間が広がる
対局者のおやつ、温泉プリン、フルーツ盛り合わせ



コメント

井山裕太棋聖
(一局を振り返って)
最初に勢いよく止めに行った(黒35)が、右上のツケコシから少し利かされているのと、実戦の様に反撃されてちょっと自信が無かった。休憩明けは穏やかにいったが、少し悪いと思っていた。

(上辺の踏み込みはどうだったか)
黒75を打った瞬間白76を打たれて、隅で頑張られてあまりいい手がないと思っていた。他の手で自信があったわけではないが、さらにまずくしていると思った。

(優勢を意識したのは)
黒115と切断してかなり難解な戦いになった。色々読めていなかったが、コウを解消して上辺の白を取った後、中央にまだアジがあるので、その辺りでは行けるかと思った。

(これで2勝1敗となったが)
まだまだ大変なので、あまり意識せずにコンディションを整えて精一杯やりたい。
芝野虎丸王座
(一局を振り返って)
最初のワカレで黒の3子(右辺)を飲み込んだ時は一応しょうがないのかなと思ったが、形勢自体はまだ広いので難しそうと思っていた。
ツケられてから(黒77)形勢判断もずっとできていなかった。まだ何もわかってないですけど、最後もしかしたら、もう少し難しかったりチャンスがあったかもしれないと思う。

(中央の攻めが難解で形勢がいったりきたりしたが)
打っているときとしては上辺に入り込まれて(黒117)なかなか取れそうな石ではないように感じたので、ちょっと大変かなと思っていた。最後解消されて白7子を抜かれた(黒167)時点では、はっきりダメにしたような気がする。

(1勝2敗となったが)
星のことは気にせずにまた次頑張りたい。

第3局陣容

タイトルホルダー 芝野虎丸王座
挑戦者 井山裕太四冠(棋聖・名人・本因坊・碁聖)
立会人 王銘琬九段
新聞解説 張栩九段
記録 青木裕孝二段池本遼太二段
幽玄の間解説 鶴山淳志八段
日本棋院囲碁チャンネル 鶴山淳志八段、他

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