許が2連勝で防衛に王手【大和ハウス杯第60期十段戦挑戦手合五番勝負第2局】


 初防衛を目指す許家元十段余正麒八段が挑戦する 大和ハウス杯第60期十段戦(主催:産経新聞社、 日本棋院、関西棋院/特別協賛:大和ハウス工業株式会社) 挑戦手合五番勝負第2局が3月23日(水)に滋賀県長浜市 「Hotel & Resorts NAGAHAMA」で打たれ、 許が210手までで白番中押し勝ちしシリーズ2連勝、防衛に王手をかけた。終局時刻は17時14分、持ち時間3時間のうち残り時間は両者ともに1分だった。
 第3局は4月7日(木)に長野県大町市「ANAホリデイ・インリゾート 信濃大町くろよん」で行われる。

 対局については「産経新聞」、 「日本棋院囲碁チャンネル」の映像ライブ配信、 およびネット対局「幽玄の間」等にてご覧いただけます。
 また詳細・解説については「産経新聞」の観戦記、 毎週月曜日発売の「週刊碁」、 毎月20日発売の月刊誌「碁ワールド」等にてご覧いただけます。


好機を逃さず大石を仕留めて快勝
検討室の様子、窓からは琵琶湖が見渡せる
琵琶湖側から見た対局場のHotel & Resorts NAGAHAMA
豊公園内の長浜城歴史博物館、耐震工事中で入場できず
勝負飯。許がカツカレー、余がうな重。どちらも量は控えめ
YouTube解説午後1回目。"西の頼れる男"大橋七段と初のタイトル戦記録係の三島初段
意外にもタイトル戦では初立会と初記録となる結城九段と岩田初段
パンダネット解説の村川九段(右)、YouTubeでも難解な局面を解説
大盤解説は瀬戸八段、芦田六段が担当
後が無くなった余、次局巻き返しなるか
結城九段を交えて局後の検討が続く

終局後のコメント

許家元十段
(白114のツケコシは)とりあえず分断しないと地合いがはっきり悪いので、正しいかどうかはわからないけど一応筋としてはあるかなと。
(中央黒の大石について)
白がだいぶ薄かったので取れる気はしなかった。マガって黒175にオシた時は意外と難しいかなと。もしかしたら(黒175で)単に切られてたら(黒が)しのげてたような気がします。
(中盤以降は納得いく碁が打てた?)
いやずっと苦しいような実戦はコウ仕掛けてアテコミとかアテとかで解消すれば一応ヨセにはなるかなと思ってたんですけど、9-五のキリとか寄りつかれそうな気がしてたんであんまり自信は無かったですね。実戦は(右上と右辺を)どっちも頑張ったんですけど、さらに形勢が悪化したような気がします。
1局目も2局目も難しい碁が続いてて今日も序盤もあんまり自信が無かったんですけど、なんとか勝てて運が良かったかなと思います。
余正麒八段
(序盤の)実戦の進行はある程度予想はしていたんですけど、布石は本当にいい勝負でした。
(上辺で抜いて地合いではリードした?)
打ってるときは形勢ダメなのかなと思ってたんですけど、一応上のコウを解消してシノギ勝負になって少し難しくなったかなと。
(黒171とコスんだ辺りは)なんとかなりそうかなと思って打ってたんですけど、思ったより危なかった。正しく打ってれば難しかったかもしれないんですけどちょっと残念でした。
後が無くなったんですけど、いつも通り結果を気にせず平常心で頑張りたいと思います。

陣容

タイトルホルダー 許家元十段
挑戦者 余正麒八段
立会人 結城聡九段
パンダネット解説 村川大介九段
新聞解説&大盤解説 瀬戸大樹八段
聞き手 芦田磯子六段
記録 岩田紗絵加初段三島響初段
幽玄の間解説 大橋成哉七段
日本棋院囲碁チャンネル 大橋成哉七段・他

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