伊田がカド番をしのぐ【森ビル杯第54期十段戦挑戦手合五番勝負第3局】


伊田篤史十段井山裕太棋聖が挑戦する森ビル杯第54期十段戦挑戦手合五番勝負(主催:産経新聞社)の第3局が4月14日(木)に長野県大町市「くろよんロイヤルホテル」で行われた。
結果は伊田が269手まで黒番中押し勝ちをおさめ、シリーズ初勝利をあげた。これにより、2015年7月の第40期碁聖戦第3局から続いていた井山の挑戦手合連勝記録は18でストップした。終局は18時16分、持時間3時間のうち残り時間は黒番の伊田が3分、白番の井山が2分だった。

伊田が最終局へ持ち込むか、井山が奪取、前人未到の7冠を達成するのか、第4局は4月20日(水)に東京都千代田区の日本棋院本院で行われる。

第54期十段戦五番勝負はネット対局「幽玄の間」でライブ中継いたします。

また、囲碁・将棋チャンネル囲碁プレミアムニコニコ生放送でライブ中継されます。

両対局者のコメント

伊田十段「その前の打ち方に問題があり、中盤中央で黒一子カカエられた(白78)ワカレは白が良かった。
左上のコウまで白に解消されては勝利はないので必死にがんばった。
コウを黒が解消できることになってやっと少し残ると思った。
まだカド番なので、次局も全力を出すだけ」

井山棋聖「序盤の上辺のワカレがそもそもよくなかったかもしれない。
途中からは何もわからずに打っていたが、左上のコウがどうなるかが焦点だった。
黒に踏ん張られて思わしい結果が得られなかった。
(7冠のプレッシャーがあったか?)特に重圧のようなものを感じずに自分の碁を打った。
次の対局も精一杯打ちたい」

カド番をしのぎ、シリーズ初勝利をあげた伊田
井山の挑戦手合連勝記録は18でストップ
7冠達成がかかった本対局、大変な注目を集めた
異例ながら終局後に敗者の井山の囲み取材も行われた

第3局終局の模様

【 第54期森ビル杯十段戦挑戦手合 第3局終局図 】

黒:伊田篤史十段 白:井山裕太棋聖 黒番中押し勝ち


幽玄の間解説:松本武久七段