一力が難局を制す【第46期名人戦挑戦手合七番勝負第5局】


井山裕太名人
VS
一力遼天元

 名人2連覇および通算8期を目指す井山裕太名人一力遼天元が挑戦する 第46期名人戦挑戦手合七番勝負 (主催:朝日新聞社・日本棋院・関西棋院) 第5局が10月12日(火)・13日(水)の日程で山梨県甲府市「常磐ホテル」で打たれ、黒番の一力が中押し勝ちをおさめシリーズ3勝2敗となった。
 次の第6局は10月19日(火)・20日(水)に静岡県熱海市 「あたみ石亭」で打たれる。

 対局の模様については、朝日新聞デジタル、 「日本棋院囲碁チャンネル」の映像ライブ配信 (1日目2日目)、 およびネット対局「幽玄の間」等にてご覧いただけます。
 また詳細・解説については、朝日新聞紙面の観戦記、 毎週月曜日発売の「週刊碁」、 毎月20日発売の月刊誌「碁ワールド」等にてご覧いただけます。



終局後のコメント

一力遼天元
「(107サガリについて)右辺のコウはずっと残っているんですけど(上に)ノビて右辺白を生かして左辺に回っててもそれなりにいい勝負かなと思っていたんですけれども、サガリが成立するのであればそちらのほうが厳しいかなと思ってやりました。 封じ手の前のトビと封じ手のコスミが少しぬるかったかもしれないがちょっと他の打ち方もわからなかったです。64と飛ばれたときはあんまり自信が無かったです。コウになって右辺に寄り付く展開になって一応、全局的に厚いかなと思ったんですけど、まだまだ右辺白がどの程度の生き形になるかという形勢だったと思います。また来週にあるので気を引き締めて頑張りたいと思います」
井山裕太名人
「62のツケでは守られてそんなにぴったりした手が無く続かない感じなのでちょっと苦しいのかなと。 左辺のコウでは駄目だったですね。それなりに黒も決め方が難しいのかなと思って打ったんですけど、白は解消してもまだ味が悪いですしあんまり良い姿じゃないので、かなり白の方に負担の大きいコウになってしまったかなという感じです。 コウを受けてても仕方がないという感じはしたので、実戦みたいに右辺を攻められるのは仕方がない。シノギだけを目指すんだったらツキアタリより良い手があると思ってたんですけれども、あんまり損して生きるようでは形勢に自信が持てなかったので苦しいかもしれないが実戦で一勝負かなと。ちょっと中央の辺りももう少し良い手があったのかもと迷った場面もいくつかあったんですけれども実戦のコースははっきり駄目ですね。 (107サガリについて)上に立たれると悪いなりに一応息が長いと思っていたので実戦で来られるという流れなのかなと思っていました。自分なりにコンディションを整えて悔いのないように戦えればと思います」

右辺白を厳しく攻めぬいて一力勝利
趙治勲名誉名人の相方(?)を務め上げた河野臨九段、一流は何をやらせても一流
映像は囲碁将棋TV -朝日新聞社-でチェック!
山梨を愛した文豪・井伏鱒二も常磐ホテルを訪れていた
名だたる囲碁棋士の揮毫、いずれも達筆
将棋の展示は斎藤慎太郎王座(当時)のクリアファイルが目を引く、イケメンは正義
安定の常磐ホテル、運営スタッフとしてもとてもやりやすい

第5局1日目



第5局2日目




陣容

タイトルホルダー 井山裕太名人(棋聖・名人・本因坊・碁聖)
挑戦者 一力遼天元
立会人 趙治勲名誉名人
新聞解説 河野臨九段
記録 大西研也四段茂呂有紗二段
幽玄の間解説 王銘エン九段
日本棋院囲碁チャンネル 大西竜平七段、他


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