熱きミドルエイジの戦い、第8回SGW杯中庸戦本戦が11月1、2日に行われ、鈴木伸二八段が16人の頂点に立ちました!

優勝し、笑顔の鈴木八段
「ウニ」の愛称で知られる鈴木八段はりんの愛する妻、鈴木歩七段の弟弟子であり、つるの女子囲碁リーグ(Li LEAGUE)監督仲間であり、週刊碁時代の「つるりん式観る碁のすすめ」にゲスト出演したこともある、つるりんとは何かと縁の深い棋士。そのため、つる&りんも相当嬉しいようで・・・。
つる = 鶴山淳志八段
りん = 林漢傑八段
しな = ライター品田渓
- つる ウニくんは素晴らしいね!本戦前、「中庸」って書いた半紙の写真に「優勝目指して頑張ります」ってコメントを添えてSNSに載せてたでしょ。まさに有言実行。
- りん 優勝といえば1位、1位と言えば金、金と言えばウニ!!エゾバフンウニの旬は夏だけど、こっちのウニは今が旬。優勝の翌日には35歳になって、人生にも深みとコクが増し増しで、もうね、私はウニ丼が食べたい!
- つる ちょっと何言ってるか分かんない(笑)。
- りん 私も分からない(笑)。
- しな 何はともあれ、ウニ先生はすごい、優勝おめでとうございますということですね(笑)。本大会を振り返ってどんなことを思われますか。
- つる 全体を通して思うのは色んな人の碁を観れて、最後までハラハラドキドキできるのが中庸戦だなということ。まず、最初の抽選からしてドキドキした。
- りん 本当にそう。だいたい、初戦で私が本命に挙げたウニくんと対抗のちょさん(張豊猷九段)が当たっちゃうじゃない。「え~、ウソ~、やめてよ~」って思った。
- つる あの碁は本当にドキドキした。息詰まる半目勝負。ウニくんもあれで勝って波に乗ったんじゃないかな。
- りん 2日で4局打つから、勢いが大事な部分はある。逆転で危ない碁を拾ったとか、半目勝負を制したとか、そういう方が普通に勝ち上がってきた人よりも強い意味もあるんだよね。
- しな 今回は全体的にウニ先生にツキがあったということですか。
- りん 実力があって努力しているウニくんだから、今回ツキが回ってきたんでしょう。全体的に苦しい碁も多かったけど、その中でもジタバタしないでジワジワ追い上げて抜き去る勝ち方は「中庸」そのもの。終わってみればウニくんは勝つべくして勝ったという気がするな。
- しな ところで、予想対決は両方当てたということでいいでしょうか。
- りん いや、私は当てたと言えますけど、つるさんはどうかなぁ。
- しな ちなみにつる先生は本命・安斎伸彰八段、対抗・松本武久八段、オススメ・ウニ先生でした。りん先生は本命・ウニ先生、対抗・張九段、オススメ・大垣雄作九段です。
- りん 本命で当てたのと、オススメで当てたのではちょっとレベルが違うんじゃ・・・。
- つる 待ってください。それを言うなら、3人の総合順位は僕の予想の方が高いから。ジャイアン(安斎八段)が5位、まっちゃん(松本八段)が10位。
- りん いや、それは違うよ。ちょさんは確かに3連敗したけど、それはウニくんに初戦で負けたからだから。私は今でもあれが事実上の決勝戦だったと思ってるよ。それに、つるさんは「沼くん(沼舘沙輝哉七段)の中庸はまだ早い」とか何とか言ってたよね。あれだけ迫ったんだからちょっと反省した方がいいんじゃない。
- つる 沼くん強かったよね。これは来年あたり優勝するかも・・・。正直、優勝者決定戦はもし沼くんが勝ったら大外しになるから、どうやって言い訳しようかちょっと考えちゃった。でも、結果ウニくんが勝ったし、僕は優勝しないって予想しただけだから別に間違ってないし。
- しな 五十歩百歩の戦いですね。
- りん 囲碁は1目、半目の差で勝負が決まるんです。五十歩の差は大きい!!だから私の勝ちです。次こそ私は封じない!!!
- つる え、それじゃあ僕が封じるの?オススメで当てたのに?いっそのこと、2人とも封じないでオープン予想する?
- しな 大盤解説での開封はちょっとしたアクセントになるので、ぜひどなたかには封じていただきたいのですが。
- りん あっ、いいこと思いついた!!来年はウニくんに封じてもらおう。大盤解説するわけだし(例年、優勝決定戦の大盤解説は前年優勝者が行います)。
- つる それはいいね!でも、自分がその場にいるのにわざわざ予想を開封してもらうのも変じゃない?
- りん 変じゃないよ。封じ手って本来そういうものだから。
- つる ・・・確かに。
- しな ウニ先生が何とおっしゃるかは分かりませんが、打診してみましょう。参加していただけたら楽しいですね!では、つる先生、最後に一言お願いします。
- つる 熱きミドルエイジの戦いはウニ中庸の誕生で幕を閉じました。優勝したウニくん、本当におめでとう!そして、沼くんはじめ、熱戦を繰り広げた選手のみなさん全員に拍手を送りたいと思います。来年はどんな中庸が誕生するのか、これからも我々と一緒に中庸戦を楽しんでいきましょう!!
記・品田渓

全員で記念撮影

秋山次郎九段と吉原由香里六段による大盤解説が行われ、終局後には両対局者も登壇して戦いを振り返った。

