去る9月14日、日本棋院は500人もの囲碁を愛する者たちで溢れかえっておりました。パチパチという石音、笑い声、真剣勝負からたちのぼる熱気・・・。「第3回つるりん杯団体戦」は主催者発表を待つまでもなく、大成功だったと言えるでしょう。
さて、とある昼下がり、つるりん杯の余韻を噛み締めてりん(林漢傑八段)がつる(鶴山淳志八段)を訪ねると、何やら様子がいつもと違っていたようで・・・。

つる = 鶴山淳志八段
りん = 林漢傑八段
(机に突っ伏しているつる)
- りん つるさん!!大丈夫!?ひょっとして過労で倒れたの?
- つる 違うよ、これ見た?「素敵な大会をありがとうございます」「つるりん杯で囲碁熱が高まった」参加者のみなさんの温かい投稿を見てると、もう嬉しくて、嬉しくて・・・。
- りん 泣いてたの?
- つる ・・・いや、泣いてはいない。嬉しくて、目をつぶって思い出してた(笑)。
- りん よかった~。正直私、当日の笑顔担当じゃない。大会運営のほとんどをつるさんがやってるから、ついに燃え尽きて倒れちゃったのかと思ったよ。
- つる 誰が燃え尽きてるだって??僕はね、今、かつてないほど燃えていますよ。
- りん おっ!
- つる もともと燃えてるけど、みなさんの熱気が燃料になってさらに燃えています。だいたい、僕はね、火の国出身なんだよ!!
- りん キタキタ!!「肥後の暴れ馬」あらため「フェニックス」!!(注・肥後の暴れ馬もフェニックスもつるの異名です)
- つる つるりん杯、またやります!!2026年、にゃんにゃんにゃんの2月22日!!
- りん どこさ、次はどこさ?
- つる 肥後さ!熊本さ!!
- りん 熊本~!!!(拍手)
- つる いや~、嬉しいね。自分の故郷で「つるりん杯」
- りん どんな大会なのよ。せっかくだから言っちゃってよ。
- つる 「つるりん杯in九州」です。今概要をまとめ中だからまた改めてご報告するけど、今回も3人1組の団体戦。あと、年齢制限はなし!
- りん ということは小学生も参加できるし、大人も参加できるってことね。
- つる 地元の子どもたちにもいろんな人と打つ機会を持ってもらいたいじゃない。それに、九州の方が東京に出てくるって大変だと思うんだよね。熊本なら、九州の他の県からも参加しやすいと思って。
- りん つるりん杯の地方開催、新章スタートだね!
- つる すごく楽しみなんだよね。だけど、怖くもある。たくさんの人に集まってもらいたいけど、熊本って遠いからね。みなさん熊本に来てくれるかなぁ。
- りん 来てくれるよ!だって、つるさんの故郷でしょ?
- つる いや、僕の故郷だからって「じゃあ行こうか」ってならんがな(笑)。
- りん でも、いいところなんでしょ?
- つる それは自信を持って言える、いいところです!
- りん つるりん杯ついでに観光しようかなっていう人もいるかもしれないから、熊本のいいところをちゃんと言った方がいいよ。ところで、つるさんって熊本のどこらへん出身なの?
- つる 天草生まれ、阿蘇育ち、今実家があるのは熊本市内です。
- りん すごっ、ザ・熊本じゃん。阿蘇ってカルデラが有名な阿蘇山の阿蘇だよね。
- つる そう、フェニックスらしいでしょ(笑)。ちなみに会場は熊本市内で、歩いて行ける距離に熊本城もあるよ。前のりして観光するなら空港からレンタカーで黒川温泉に行って、それから会場に行くのがおすすめだね。
- りん 天草は?天草も会場からいける?
- つる 行けなくないけど、ちょっと遠いよ。ただねぇ海がすごく綺麗だし、本当に海鮮が美味しいいいところなんだよね。スキューバダイビングとかも最高。阿蘇山も登ると景色が雄大で素晴らしいよ。
- りん ・・・つるさん、やるの2月。スキューバダイビングなんてしたら凍えるし、山もしんどいから。でも、長年の謎が解けた。つるさんが棋士のわりにやたらとアウトドアが好きなのは全部熊本の自然のせいだったんだね。
- つる そうかも(笑)。
- りん それじゃあ、「つるりん杯in九州」に向けて動き出すわけだ。
- つる そうだね。って、さっきから他人事みたいに言ってるけど、りんも準備するんだからね。
- りん えっ?私はだってほら、当日の笑顔担当だから・・・。
- つる いや、地方開催はじめてなんだから、りんにもたくさん働いてもらうよ。大丈夫、実家の部屋空けてあるから、そこに泊まり込んで一緒に作業しよう、なっ!!
- りん いいよ、いいよ。私なんかが居たらつるさんのお父さんお母さんにもご迷惑でしょう?私は前日に市内のホテルに入るからさぁ。
- つる 何を言ってんだよ、水臭いな。一緒に燃えようぜ!!頑張ろう!!
- りん ひぇーーー。
記・品田渓

