寄付事例とボランティア活動のご紹介~三菱UFJ証券ホールディングス株式会社様 2回目~

 日本棋院では、子どもたちが学校で囲碁に触れる機会を広げるため、「がっこう囲碁普及基金」を通じて、全国各地の学校囲碁授業の支援に取り組んでいます。
 このたび、昨年に引き続き、三菱UFJ証券ホールディングス株式会社様の社会貢献活動「MUFG SOUL」※の一環として、がっこう囲碁普及基金へご寄付を賜ることとなりました。温かいご支援に、心より御礼申し上げます。


  • ※ 「MUFG SOUL」とは・・・三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は社会貢献を重要な取組の一つと位置付けています。MUFG SOULは、役職員が自ら社会課題に目を向け、その解決に向けて企画・実施する活動を、MUFGが資金面から支援する制度です。

 また、ご寄付にあわせて、2026年9月26日に同社の寺尾佳奈子様に、埼玉県蕨市にある武南学園 武南中学校の囲碁授業にボランティアとしてご参加いただきました。




武南中学校で行われている囲碁授業

 武南中学校では、中学1年生から3年生までの全員を対象に、土曜日に月1回程度、囲碁の授業を行っています。授業は地域のアマチュア指導員の皆さまを中心に行われ、年に2回程度、日本棋院の棋士も講師として参加しています。
 同校の囲碁授業は、学校の開校初年度である2012年から始まりました。地域の囲碁関係者や学校関係者の協力により実現し、現在まで継続されています。今年度は、中学1年生85名、2年生87名、3年生55名、計227名が囲碁授業に参加しています。
 授業では、本格的な19路盤も用いながら、生徒たちが対局を楽しんでいます。開放的な雰囲気の中で、生徒同士が自然に会話を交わしながら碁盤に向き合う姿が見られました。囲碁を通じて、考える力だけでなく、相手と向き合う姿勢や礼儀、コミュニケーションも育まれています。




黒瀧正憲八段

「体力、気力、棋力が続く限り、子どもたちへ囲碁を伝えていきたい」

 武南中学校で講師を務める黒瀧正憲八段は、10年以上にわたり全校生徒に囲碁授業を実施している同校に対し、深い感謝を述べています。
 「武南中学校には、10年以上前から全校生徒に囲碁クラブ授業を実施していただいており、たいへん感謝しております。1時間ほどの囲碁授業ですが、いつも楽しく、最後は多少賑やかになることもありながら、生徒たちは皆楽しそうに対局しています。あっという間に1時間が終わるという感じです」
 普段の授業とは異なり、テストや成績評価を目的とした授業ではないため、生徒たちはリラックスして参加でき、指導する側も気負わずに囲碁の楽しさを伝えることができているといいます。
 「『継続は力なり』という言葉の通り、これからも全校生徒への囲碁クラブ授業が続いていくことを願っています」
 寺尾様が授業に参加された様子についても、次のように振り返りました。
 「寺尾様はたいへん気さくな方で、授業中は生徒たちの対局を指導したり、時折笑い声も聞こえてきたりと、楽しそうに参加していらっしゃいました。ありがとうございました」
 ご寄付について、黒瀧八段は学校囲碁普及を支える大きな力であると話します。
 「小学生から高校生までの学校に直接出向いて行う囲碁教室は、囲碁普及において非常に大切な活動だと感じています。ご寄付がなければ、現在の囲碁授業の件数を維持することは難しい面もあります。感謝という言葉では足りないほど、ありがたいことだと感じています」
 また、武南中学校の囲碁授業では、生徒数が200人を超えていることもあり、普段はアマチュア有志の方々が指導にあたっています。黒瀧八段は、地域で継続的に支えてくださっている皆さまへの感謝も語りました。
 「武南中学校の囲碁授業では、普段はアマチュア有志の方6~7人が指導にあたっています。特に、川口の伊沢様、武蔵浦和の古越様には多大なる感謝を申し上げます」
 黒瀧八段は、大学も含めた学校囲碁普及に20年ほど携わり、これまで約3,000人の学生・生徒に囲碁のルールを伝えてきたといいます。
 「毎年、毎回、新たな発見や気付きがあり、自分自身、飽きる感覚がないのが不思議です。体力、気力、棋力が続く限り、子どもたちへ囲碁を伝えていければと思っています」




古越利始様

「寄付をしてくださる方がいるから活動を続けられる」

 武南中学校の囲碁授業は、プロ棋士による指導に加え、現地で日頃から囲碁普及に携わるアマチュア指導者の皆さまにも支えられています。
 さいたま南市民囲碁協会の古越利始様は、同校の囲碁授業について、地域の囲碁関係者と学校関係者の協力により始まり、現在まで継続されていると振り返ります。
 開校当初は1クラスから始まった授業も、現在では全校生徒を対象とする規模となりました。生徒数の増加に伴い、複数の会場で授業を行う必要があり、授業場所や囲碁用具、講師体制の確保なども課題となっているといいます。
 古越様は、学校での囲碁教室の継続について、次のように話します。
 「生徒数が増え、複数の会場に分かれて授業を行う必要もあり、講師の人数も増えています。私たちが学校で囲碁教室を実施できるのも、寺尾様や寄付をしてくださる方がいるからだと思います」
 今後の普及活動については、「初心者や級位者に寄り添った指導、学校囲碁指導員や普及指導員の育成・活用が重要である」と語ります。地域の指導者と日本棋院が連携しながら、子どもたちが安心して囲碁に親しめる場を広げていくことが期待されます。




武南中学校 利根川校長先生

「囲碁を通して、思考力や人間性を育みたい」

 武南中学校の利根川校長先生は、同校の建学の精神である「自主・自立・自学・共同」のもと、国際社会で活躍する高い知性と探究心、豊かな教養を身に付けた人材の育成を目指していると話します。
 また、心の在り方として「知仁勇」を大切にし、生徒たちにもその思いを伝えているそうです。
 囲碁授業については、次のように期待を寄せています。
 「囲碁を学ぶことで、論理的思考力や先を読む力、集中力、忍耐力、判断力、問題解決能力、コミュニケーション能力など、さまざまな力を身に付けることができると考えています」
 生徒たちからは、「楽しい」「先生が優しく教えてくれる」といった声に加え、「囲碁の先生になりたい」「プロになりたい」という前向きな声も聞かれるそうです。
 今後について、利根川校長先生は次のように語ります。
 「柔軟な思考を持つ中学生の時期から囲碁に親しみ、6年間継続して取り組むことで、将来的には全国大会を目指せるような力を育てていきたいと考えています。今後は、囲碁部の設立も視野に入れています」


三菱UFJ証券ホールディングス株式会社 寺尾佳奈子様

「囲碁文化の継承と普及に貢献していきたい」

 今回、ボランティアとして授業に参加された三菱UFJ証券ホールディングス株式会社の寺尾佳奈子様は、武南中学校の囲碁授業について、次のように話します。
 「今回は中学2年生の授業に参加させていただきましたが、簡易的な13路盤ではなく、本格的な19路盤が使用されていることに驚きました。生徒の皆さんもルールを十分に理解し、終局までしっかりと対局を行っていました。武南中学校では、中学1年生から3年生までの正規授業に囲碁が取り入れられており、囲碁を継続的かつ体系的に学ぶ環境が整備されていることを実感しました」
 生徒たちの様子についても、印象的だったといいます。
 「教室はドアで区切られた閉鎖的な空間ではなく、オープンな環境となっており、生徒さんがのびのびと、笑顔のあふれる雰囲気の中で対局を楽しんでいる様子が印象的でした。囲碁というと静かな印象がありますが、対局を通じた活発なコミュニケーションも見られ、自由闊達な学びの場になっていると感じました」
 黒瀧八段や地域の指導員の皆さまの指導についても、次のように話します。
 「黒瀧先生は、とても気さくで優しい先生という印象を受けました。生徒さんに対して分かりやすく説明されており、授業中も多くの質問が寄せられていました。生徒さんが気軽に質問できる環境であることが、囲碁に対する関心や理解を深めることにつながっているように感じました。
 また、古越様をはじめとする地域の指導員の皆さまは非常にエネルギッシュで、囲碁の楽しさを生徒さんに伝えたいという熱意が感じられました。授業中も積極的に生徒さんへ声掛けを行い、一人ひとりに丁寧に接している姿が印象的でした」
 教室のホワイトボードには、「挨拶」「礼儀作法」「思いやり」といった言葉も掲げられていました。寺尾様は、囲碁を通じて相手を尊重する心を学ぶ機会にもなっていると感じたそうです。
 「囲碁は勝ち負けだけではなく、人として大切な姿勢や相手を尊重する心を学ぶ機会でもあることが伝わってきました」
 今回のご寄付については、日本棋院のがっこう囲碁普及活動への共感をお話しくださいました。
 「日本の伝統文化である囲碁に対する関心は、近年徐々に低下傾向にあります。AIの活用が進み、娯楽や情報があふれる時代だからこそ、子どもたちが囲碁に触れ、その魅力を知る機会はますます重要になっていると感じています。こうした機会の提供に取り組む日本棋院の活動に共感し、支援したいと考えました」
 今後の囲碁との関わりについて、次のように語ってくださいました。
 「今回の活動を通じて、囲碁普及の大切さを改めて実感しました。今後も囲碁を楽しみながら、その魅力を身近な人へ伝えるなど、日常生活の中でできる形で囲碁文化の継承と普及に貢献していきたいと考えています」




皆さまのご支援に支えられる学校囲碁

 学校で囲碁を学ぶ機会は、子どもたちにとって、日本の伝統文化に触れる入口であると同時に、考える力や相手を思いやる心を育む貴重な時間でもあります。
 武南中学校の囲碁授業は、学校の理解、地域のアマチュア指導員の皆さま、プロ棋士、そしてご支援くださる企業・個人の皆さまの協力によって支えられています。
 三菱UFJ証券ホールディングス株式会社様には、昨年に続き、がっこう囲碁普及基金への温かいご寄付を賜りました。また、寺尾佳奈子様には実際に学校囲碁の現場へ足を運び、生徒たちと囲碁を通じて交流していただきました。
 日本棋院は、皆さまからのご支援に心より感謝申し上げます。今後も、学校囲碁の普及を通じて、子どもたちが囲碁に親しみ、豊かな学びを得られる機会を広げてまいります。

記・日本棋院普及部学校普及担当



がっこう囲碁普及基金へのご協力のお願い

 日本棋院では、学校での囲碁授業や子どもたちへの囲碁普及活動を継続・拡充するため、「がっこう囲碁普及基金」へのご協力をお願いしております。
 皆さまからのご支援は、学校囲碁授業の実施、講師派遣、教材・囲碁用具の整備など、子どもたちが囲碁に触れる機会を広げるために活用させていただきます。
 今後とも、学校囲碁普及活動への温かいご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。