寄付事例とボランティア活動のご紹介~三菱UFJ証券ホールディングス株式会社様~



 日本棋院では、がっこう囲碁普及基金のご支援を活用し、保育園から大学まで幅広い世代に向けた囲碁普及活動を行っております。
この度、三菱UFJ証券ホールディングス株式会社様の社会貢献活動「MUFG SOUL」※の一環として、同基金へご寄付を賜りました。

  • ※ 「MUFG SOUL」とは・・・三菱UFJフィナンシャル・グループは社会貢献を重要施策に位置付けています。MUFG SOULは、社員が行うボランティア活動を支援する制度であり、社員の活動に対して資金を拠出し、社会貢献活動の促進を図っています。

 また「MUFG SOUL」の取り組みとして、同社社員であり今回の寄付をご発案いただいた広報・ESG部の寺尾佳奈子様に、青山学院大学および品川区立浅間台小学校で実施した囲碁授業へボランティア参加いただきました。

 本コラムでは、その授業風景とともに、寺尾様ならびに各授業を担当した講師へのインタビューをご紹介いたします。




青山学院大学「囲碁で養うロジカルシンキング」
講師:田尻悠人五段

 今回、寺尾様には青山学院大学の授業「囲碁で養うロジカルシンキング」にボランティアとして参加いただきました。
 青山学院大学では、2012年より単位科目として囲碁授業を毎年実施しており、全15回のカリキュラムで 6路盤・9路盤といった小さな碁盤から学び始め、最終的に19路盤での終局を目指します。今回、寺尾様に参加いただいたのは19路盤での実践回でした。

 授業当日は、受講生の見回りに加え、人数が奇数になったため対局相手も務めていただきました。まずは、講師の田尻五段に感想を伺いました。




授業担当講師・田尻悠人五段インタビュー

  • ― 今回お手伝いいただいた寺尾様の印象を教えてください。
    「入門者に教えた経験はあまりないと伺いましたが、とても上手に教えてくださっていました。学生がつまずきそうな部分を丁寧に助言しながら対局していただき、大変助かりました」
  • ― 今回、がっこう囲碁普及基金へのご寄付をいただいたことについて。
    「本当にありがたいことです。囲碁を若い世代に広めていくことが何より大切だと考えています。大人になってから始める方は少なく、小学生から大学生までの若い世代で触れてもらうことが普及の鍵になりますので、今回のご支援には非常に感謝しています」
  • ― 今後の囲碁普及への抱負をお聞かせください。
    「囲碁は、若ければ若いほど取り組む時間があり、学びやすいと感じています。小学校高学年になると塾や受験で忙しくなるため、幼稚園や小学校低学年での導入がとても重要です。また、大学生は新しい挑戦がしやすい時期なので、大学での囲碁授業もさらに広まってほしいですね。
    そして...ぜひ三菱UFJ証券ホールディングス様でも囲碁部を作っていただきたいです。できたら、私が教えに伺います」



品川区立浅間台小学校「囲碁授業」
講師:安藤和繫六段

 品川区立浅間台小学校では、2016年から(2020年のコロナ禍期間を除き)毎年、正課の授業として囲碁が取り入れられています。今回は2年生を対象に、囲碁のルールを一から学ぶ入門授業を行いました。
 寺尾様には授業中の見回りや、児童との対局などでお手伝いいただきました。
 安藤六段に今回の感想を伺いました。



授業担当講師・安藤和繫六段インタビュー

  • ― 児童の印象はいかがでしたか。
    「浅間台小学校には毎年伺わせていただいています。子ども達には囲碁を通じて礼儀や相手の考え(気持ち)を感じとる事の大事さを伝えています。 自分で考えて工夫したり、友達と相談したり、教えあって協力しています。廊下ではあいさつもしてくれて、元気な笑顔に力をもらっています」
  • ― 寺尾様の印象について教えてください。
    「お忙しい中お越しいただきありがとうございました。児童と同じ目線になって一緒に囲碁を打たれていたのが情熱を感じてとても印象的でした」
  • ― 今回の寄付について、講師としてのお気持ちをお聞かせください。
    「今回のがっこう囲碁普及基金へのご寄付には大変感謝しています。頂戴した寄付金は学校での囲碁授業に大切に使用させていただき、囲碁の授業を通じて、子ども達が明るい未来を目指せるよう精進いたします」
  • ― 今後の普及に向けた抱負をお願いします。
    「囲碁棋士になって20年を過ぎました。 小学校から大学まで囲碁の授業をする経験も多くなりましたが、毎回新たな発見があります。生徒さんが楽しく、わかりすく、囲碁を続けたいと思える授業を目指していきたいとおもいます」

 今回ご参加いただいた青山学院大学と品川区立浅間台小学校でのボランティアについて寺尾様にお話を伺いました。






寺尾様インタビュー

まず、青山学院大学でのボランティアについてお話を伺います。

  • ― 学生の印象についてお聞かせください。
    「大学の授業に参加するのは初めてでしたが、受講生の真剣さに驚きました。先生が説明する囲碁用語を一つひとつ丁寧にメモし、それを対局でしっかり実践している学生もいて、とても印象に残りました」
  • ― 講師(田尻五段)の印象はいかがでしたか。
    「事前準備を徹底される方だという記事を拝見していましたが、実際の授業でも学生の立場に立って、分からない部分を丁寧に説明されていて、とても分かりやすかったです」
  • ― 対局相手として学生と打ってみた感想を教えてください。
    「とても楽しかったです。一手一手に意味を見出しながら打つ学生もいて、前の手からの流れを考えながら打っている様子が見られ、まさにロジカルシンキングに繋がっていると感じました」

続いて、品川区立浅間台小学校でのボランティアについてお話を伺います。

  • ― 小学生の印象はいかがでしたか。
    「碁石が入っているケースの蓋を開けて石を握り、碁石を並べ始めると、子どもたちが前のめりになって集中していたことが印象的で、好奇心が伝わってきました。黒番、白番に分かれて行ったゲームは、運動会さながらの活気ある応援が飛び交い、本当に楽しそうだったのが印象的でした」
  • ― 講師(安藤六段)の印象はいかがでしたか。
    「棋士の安藤先生は、笑顔を絶やさず、簡単な言葉で分かりやすく説明されていて、子ども達を飽きさせない授業でした。分かりやすい説明のため、子どもたちは先生の話を聞くと、すぐに理解して碁盤に再現していたことに驚きました。子どもたちの様子を見て回り、立ち止まって教えるときには、必ずしゃがんで子どもの目線に合わせて会話をされておられ、子どもの立場に立った授業がとても印象的でした」
  • ― 児童との対局の感想を教えてください。
    「実際に私も小学生と打つ機会をいただきました。最初は大人が相手ということで少し不安そうな様子でしたが、『一緒にやろうね、ここに置いたら石は取れるかな?』と声をかけながら打ち進めるうちに、次第に笑顔になって一生懸命考えて碁石を置く姿がとても印象的でした。今回の囲碁との出会いが、子どもたちの今後の人生を豊かにするきっかけになることを願っています」

最後に寄付に込めた思いと囲碁界について伺いました

  • ― 今回、囲碁に関心を持ち、ご寄付を決めた理由を教えてください。
    「囲碁を始めたのは10年ほど前です。テレビで吉原由香里を拝見したことや、人生100年時代と言われる中で長く続けられる趣味を探していたことがきっかけでした。それまで囲碁に触れる環境が身近になかったため、日本の伝統文化である囲碁がこんなにも楽しいものだと気付いたとき、もっと若い世代が触れられる環境があればいいのに、と強く感じました。今回の寄付には、その思いが込められています」
  • ― 普段の囲碁への関わり方を教えてください。
    「普段はオンライン対局が中心で、囲碁クエストで13路盤を打っています。他のボードゲーム経験はありませんが、"目標を立てる→一手一手を積み重ねる→状況に応じて修正する"という思考は仕事にも通じていると感じています」
  • ― 囲碁普及に必要なことは何だと思われますか。
    「まず"触れてもらうこと"が大切だと思います。囲碁は難しいというイメージがありますが、碁石を手に取るだけでも印象は変わります。世代に合ったメディアで情報を発信すれば、興味を持って自分から動く人も増えるはずです」
  • ― 今後の囲碁普及に望むことがあれば教えてください。
    「近年、一力遼棋聖上野愛咲美女流名人上野梨紗女流棋聖のような若手が世界で活躍しており、日本の囲碁に再び追い風が吹いています。日本の強さを積極的に発信し、"応援したい"と思ってもらえる流れを作ってほしいと感じています」
記・日本棋院普及部学校普及担当

がっこう囲碁普及基金にご協力をお願いします。

 学校等教育機関における囲碁授業に係る経費の補助を使途として、平成27年4月に「がっこう囲碁普及基金」を設立しました。
 学校囲碁授業等への活動支援のため、皆様からのご協力をお待ちしております。
 詳細は日本棋院ホームページ がっこう囲碁普及基金 (nihonkiin.or.jp)