ルール説明

1.黒と白が交代に打つ。
2.陣地の多いほうが勝ち。
3.囲めば取れる。

  いっぺんに全ルール説明をしても入門者は混乱するだけで、興味を失うだけでなく嫌気まで起こすことになりかねません。ルール説明は簡単に、さらっと流す程度にしましょう。
 コウや着手禁止などは、生徒が対局中実際に出くわしたときに追加説明するのが効果的でよい指導方法と思います。その際も詳しい説明はずっと後です。

1.黒と白が交代に打つ

『黒と白が交代に打つ』という石の打ち方は理解しやすいところです。
  • 碁石は線と線の交わっている所(交点)に置く。
  • 黒石、白石交互に順番に打つ。
  • 一度置いた石は動かせない。

線と線の交点という言い方の工夫として、『十文字』とか、線を道路にたとえて『交差点』など。子どもの発想、連想に委ねても面白い。

2.陣地の多いほうが勝ち

『陣地の多いほうが勝ち』という地の概念は最初からなかなか理解されにくいものです。ここでは黒地、白地を示す図を見せて地の多少を簡単に説明するだけにしましょう。低学年の児童には、このルールを省いてかまいません。『3.囲めば取れる』いわゆる「石取りゲーム」に進みましょう。

3.囲めば取れる

『3.囲めば取れる』(石の取り方)は、いよいよ教える側の本番。指導者の腕の見せどころになります。ここではルール説明というより、生徒みんなに問いかけながら理解させましょう。

囲碁は「地を囲う」、「石を取る」という二大要素で成り立っているゲームです。この2つの要素が絡み合うために囲碁はむずかしいというイメージが出てくるのでしょうが、逆に囲碁はこれらの要素があるからこそ、面白く奥が深いゲームになります。 しかし初めて碁を覚える人にとって、二つの要素を一度に習うと頭が混乱して何がなんなのか訳がわからなくなってしまいますので、両方一辺に教えず片方だけ教えます。

それではどちらを先に教えたらいいのかということですが、指導者によって意見のわかれるところです。指導方法はどちらもありえますが、低学年には「石を取る」ことを先に教える方がオーソドックスとなっています。なぜなら生徒に理解しやすく、すぐ楽しめる(興味を持たせることを優先する)からです。

生徒に興味を持たせるという観点からみると、「地を囲う」ことを先に教えるのは、熟練の指導者であればいいのですが、不慣れな指導ではむずかしいかもしれません。
但し、高学年には最初に囲碁の勝負は陣地取りで、こうやって決めるという形を見せることは理解度が高くなると思われます。