2025年11月5日、日本棋院から新しい囲碁アプリ「囲碁シル」がリリースされました! 囲碁の魅力をもっと気軽に、もっと楽しく体験してもらうために開発されたこのアプリは、ゲーム感覚で囲碁を学べるのが最大の特徴です。前作「囲碁であそぼ!」は15万ダウンロードを突破し、多くの方に親しまれましたが、「囲碁シル」はその続編です。主に20級〜10級くらいの方をターゲットにしていますが、初心者から上級者まで幅広く楽しめる仕掛けが満載です。
囲碁AIキャラクター「シル」と一緒に楽しみながら強くなる!
囲碁シルの最大の魅力は、AIキャラクター「シル」と一緒に囲碁を学べることです。
登場するのは、
- 蝶羽舞子(あげはまいこ)
- 磨能幽玄(まのゆうげん)
- たぬきの「つづみん」
この3人(2人+1匹)があなたの対局をサポートしてくれます。しかも、あなたの棋力が上がると、彼らの棋力も一緒に成長していきます!今までは、囲碁の面白さが分かるまでには、定石や手筋を沢山覚える必要があるなど、苦行のような時間がありましたが、このアプリを使うと楽しみながら囲碁が強くなります。
AIの力で、囲碁がもっと身近に
囲碁シルには、AIを活用した便利で楽しい機能がたくさんあります。しかも、短時間で楽しみながら棋力を向上させることができるように、さまざまな工夫が凝らされています。
- 対局の振り返り機能
AIが形勢を悪くした手を教えてくれるので、そこから再対局して復習できます。 - 定石カードバトル
定石カードを選ぶだけで、初心者でも囲碁らしい形で戦えます。中級者は模様の広がりを学び、上級者は定石の向きや判断力を鍛えることができます。選択の良し悪しをAIが評価してくれるので安心です! - ペアバトル機能
AIと何手か交代で打つことで、短時間で対局が楽しめます。 - チョイスバトル機能
次の一手をAIが3択で提示します。選びながら学べる新感覚の対局です。 - 対戦モードも充実
人同士の対戦、AIとの対戦、盤面を7路盤〜11路盤まで選べるなど、自由度も抜群です。
世界レベルのAIエンジン搭載
囲碁シルには、フランスの開発者レミ・クーロン氏による囲碁AI「Crazy Stone(クレイジー・ストーン)」を搭載しています。彼は、2006年に囲碁AIにモンテカルロ木探索注を導入し、囲碁AIの進化を加速させた人物です。この技術は、のちに「アルファ碁」の登場にもつながりました。
- 注:Monte Carlo Tree Search。ゲーム木と呼ばれる方法でツリー状に先読み探索し、それらの局面をモンテカルロ法と呼ばれる確率論で評価するというツリーサーチとモンテカルロ法を組み合わせた方法。
日本棋院ならではの機能も搭載!
囲碁シルでは、「石取」「布石」「死活」「ヨセ」「定石」の5項目で棋力を判定します。それぞれをクリアし、棋力ごとの囲碁AIと対戦する総合棋力認定をクリアすると、該当する級の免状が取得できます。
囲碁シルの開発には写真の大橋棋士、木部棋士、吉原棋士の3人の棋士が関わっています。その一人である大橋棋士によると、これらの項目は、それぞれ「閃き力」「感覚力」「推理力」「計算力」「記憶力」に対応していて、囲碁を通じて人の能力を育てることを目指しているそうです。特に「閃き力」「感覚力」「推理力」は、これからの時代に必要とされる力です。 囲碁を楽しみながら、勉強や仕事にも役立つ力が自然と身につくと嬉しいですね。
最後に
大橋棋士からは「アプリがヒットすれば、ユーザーの声を反映してさらに良くしていけます。応援よろしくお願いします!」とのメッセージも届いています。経営改革委員会からも「囲碁の魅力を広げるにはネットの活用が不可欠」との提言がありました。「囲碁シル」が、楽しみながら囲碁が強くなる新しいスタイルの先駆けになることを、期待しています!
総務省で、モバイル、セキュリティ、情報流通などの政策立案や技術開発業務に従事。東京大学特任教授として、IoT/データ活用によるビジネス革新や価値創造について研究。一般社団法人情報通信技術委員会で、標準化推進業務に従事。早稲田大学教授として、研究マネジメント業務に従事。現在、コンサルティング活動の他、東京観光財団「東京都次世代型MICE推進会議」委員、スマートIoT推進フォーラム「IoT価値創造推進チーム」リーダー、日本棋院理事などとしても活動。

