一力遼名人、初防衛を祝う就位式【第50期名人就位式】

 芝野虎丸十段のリターンマッチを退け、初防衛を果たした一力遼名人を祝う第50期名人就位式(主催・朝日新聞社、日本棋院、関西棋院協力・藤田観光)が12月15日(月)に東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で行われた。
 謝辞に立った一力遼名人は、今シリーズを振り返り、「今年の名人戦は昨年に引き続き芝野さんとの七番勝負となりました。今回も4勝2敗というスコアでしたが、内容的には紙一重の勝負が多く、どちらに転んでも不思議ではない碁が多かったので、その中で結果を残せたのは運が良かったかなと思っています」と語った。
 さらに、「第1局の昼食で、ぼくはシーフードカレーを、芝野さんはカツカレーを頼んだのですが、配膳の際に逆に運ばれてきて、ぼくのところにカツカレーが来たんです。自分ではあまり縁起を担ぐことはないのですが、もしかしたらそれが良かったのかなと。結果的に第1局も逆転勝利でき、自分にとって印象に残る出来事でした」と会場の笑いを誘った。
 また、今後については「明日も対局(阿含・桐山杯日中決戦)があり、年明けにはLG杯決勝もあります。年末も国際戦があり、国際戦が1ヶ月程続きますが、自分のベストを尽くし、結果を残して皆さまに良いご報告ができるよう頑張っていきたいと思います」と、世界戦への決意を語った。



第50期名人の允許状を手にする一力名人。