YouTubeの「指導者向けの囲碁講座」について:経営改革報告(第2-5回)

 日本棋院のホームページからYouTubeの「指導者向けの囲碁講座」を視聴できることをご存じでしょうか。今回はこの動画の「17 本人に気づかせるための工夫」「18 分かりやすく教えるコツ」それから最後の「19 初心者が陥りやすい間違い」を紹介しながら、水間先生の指導法の本質に迫りたいと思います。

 自分で気づかないと同じミスを繰り返す。気づくまで待ってあげる。石を並べ体で覚えてもらう。言葉では伝わらないことがある。生徒自身が「分かった!」「できた!」と思うことが大切。このためには何度も繰り返すこと。これが水間先生の指導法です。子どもの言語能力が飛躍的に向上するのは、小学校の高学年くらいです。それまでは、言葉を受け止める力が十分ではないことを前提に、教えるのではなく、自ら石を並べ体で覚えてもらうという指導法は理に適っています。

 囲碁ファンが激減している現在、囲碁の指導者に求められるのは、囲碁にふれあう機会を持った子どもたちを将来の囲碁ファンにする指導法です。従来の教えたことを理解できる少数の子どもたちだけを対象とする指導法では、囲碁ファンは増えません。囲碁ファンを増やすには子どもの時に「囲碁は楽しい!」と感じてもらうことが重要なのです。試行錯誤しながら新しい教え方を開発された水間先生と出会えたことに感謝する次第です。

経営改革委員会 副委員長 稲田 修一

稲田 修一(技術経営士 情報未来創研代表)
総務省で、モバイル、セキュリティ、情報流通などの政策立案や技術開発業務に従事。東京大学特任教授として、IoT/データ活用によるビジネス革新や価値創造について研究。一般社団法人情報通信技術委員会で、標準化推進業務に従事。早稲田大学教授として、研究マネジメント業務に従事。現在、コンサルティング活動の他、東京観光財団「東京都次世代型MICE推進会議」委員、スマートIoT推進フォーラム「IoT価値創造推進チーム」リーダー、日本棋院理事などとしても活動。