三度目の挑戦の末、井山裕太王座からタイトルを奪取し、囲碁界史上3人目の5冠を達成した一力遼王座を祝福する第73期王座就位式が、2月20日(金)に東京都千代田区の「パレスホテル東京」で行われた。これまで数々のタイトルを獲得してきた一力王座だが、王座は今回が初となる。
数理工学者の甘利俊一氏は祝辞で「人間、生きていくうちに何回も壁に突き当たってはそれを乗り越えていく。一力さんにも当然壁があります。「井山の壁」、これまたすごい壁です。壁と苦闘し、自分を鍛える。その人間力が重要なんですね。一力さんは人間力を磨いてきた。だから壁を突破し、さらに今、世界に挑戦しておりますけれども、これもやはり世界との戦い、壁との戦い。これは苦しいです。この苦しいのが実は楽しい。苦しみを楽しんでもっと人間性を高める。こういうところがあると思うんですね。これからの一力さんの大活躍を期待しています」と一力王座を激励した。
謝辞に立った一力王座はこのシリーズを振り返り、「タイトル戦は非常に難しい対局が多かったですけれど、特に4局目、奪取を決めた対局は序盤からかなり苦しい展開が多かったので、結果に関しては運が良かったのかなと。挑戦者決定戦でも負けに近い場面がありましたので、王座を獲得できたのは実力以上の結果が出せたのかなという思いがあります」と語った。さらに、「王座を獲得して5冠になりましたけれど、その後、中々自分自身思うような成果を残していないと感じています。先程、甘利先生からの祝辞にありましたように苦しみを楽しみに変えて、人間力を高めて、より上のステージに行けるよう頑張ってまいります」と更なる決意を語った。

