一力天元の三連覇か、志田八段の初挑戦&天元位獲得なるか、天元戦五番勝負をリアルタイム中継

対局者プロフィール

一力 遼天元 (イチリキ リョウ)
生年月日
1997年(平成9年)6月10日生
入段
2010年夏季入段(2011年度採用)
所属
日本棋院東京本院
略歴
 1997年生まれ、宮城県出身。宋光復九段門下。2010年夏季入段(プロ入り)。20年、第46期天元戦でタイトル獲得し、通算3期。24年9月、第10回応氏杯世界選手権で優勝した。ヨミの速さと精度に定評がある。現在、棋聖、名人、本因坊の四冠。獲得タイトル数は29。日本棋院東京本院所属。
一力遼天元・意気込み
 志田さんは実力者です。今期の本戦トーナメントも強さを感じる内容でした。元々、じっくりとした展開の碁で強みを発揮されるスタイル。挑戦者決定戦の芝野虎丸さんとの碁は、そうした志田さんらしさが出ていました。
 対局中は、相手の棋風によって打ち方を変えます。このところ、芝野さんや井山裕太さんとの挑戦手合が続いていましたが、両者とは違った戦い方になりそうで新鮮です。志田さんはAI(人工知能)の手を柔軟に取り入れることで、強さに磨きがかかっている印象がありますので、五番勝負を戦う中で勝機をつかみたいです。
 思い返せば2年前の天元戦がひとつの転機になりました。初戦は落としたものの、第2局の終盤に逆転、第3、4局を勝ってタイトルを奪還することができました。経験値が上がり、精神面が改善された感があります。
 この秋は天元戦を含め、重要対局が続きます。対局と移動が続くので長く研究時間を取るのが難しく、タイトル戦での対局が勉強の場となります。成長へとつなげたいです。
 天元戦は全国各地で対局します。ファンの皆さまに楽しんでいただけるような碁を打てるようにがんばります。


志田 達哉八段 (シダ タツヤ)
生年月日
1990年(平成2年)12月6日生
入段
2006年入段
所属
日本棋院中部総本部
略歴
 1990年生まれ、福井県出身。2006年入段(プロ入り)。18年、NHK杯準優勝。23年、SGW杯中庸戦優勝。じっくりとした碁を好み、終盤のヨセ勝負が得意。天元戦本戦5期連続11回目の出場で挑戦権を獲得、初めて七大棋戦の挑戦手合登場を果たした。獲得タイトル数は1。日本棋院中部総本部所属。
志田 達哉八段・意気込み
 挑戦者決定戦では芝野虎丸さんと対局する前に、やれることは全てやろうと心に誓っていたので、結果を出すことができうれしいです。とはいえ、天元戦五番勝負に出場できたのは、運が良かったからだと感じています。
 若いころは囲碁に楽しさがありました。でも、現在の日本囲碁界をリードする一力さん、芝野さん、井山裕太さんらトップ棋士には勝てないと思ってしまい、しんどさを感じています。ヨミの精度であったり、ヨセの正確さなどを評価していただくことがありますが、良い手を打とうと考えているだけで、自分の棋風が分からないのが正直な気持ちです。
 一力さんの碁をよく並べますが、強すぎて何を考えているのか理解できませんし、自分が勝っているところは何もありません。五番勝負を迎えるにあたって自信があるわけではないのです。
 厳しい戦いになりますので、状態だけは良くしておかなければ。ただ、特別な研究をしているわけではなく、AI(人工知能)を取り入れ、詰め碁を解くなど、ほかの棋士と同じことしかしていません。盤上では、一手一手、最善の手を打つしかありませんので、精いっぱい打っていきたいです。


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