棋士が選んだこの一手

井山裕太が選んだこの一手

対局日 2009年9月16日
棋戦名 第34期名人戦七番勝負第2局 総譜はこちら
対局者
(段位は当時)
黒 井山裕太八段
白 張栩名人


< テーマ図(黒番) >
 私が初めて名人を獲得したシリーズの第2局から選びました。黒が私で白は当時五冠を保持していた張栩名人です。
 黒1から白8まで隅に換わり右下は一段落。黒に手番がまわり手広い局面です。
  • < 1図 >
     私は白石が多いところに黒1と打ちました。様子見の意味が強く、相手の出方によって方針を決めようという一手です。
  • < 2図 >
     仮に白が手を抜けば黒4と種石を逃げ出します。これは黒がやれそうなので白は手抜きしにくい。
  • < 3図 >
     白1と受けてくれれば黒2、4と連絡する手が残ります。白3で4は黒a、白b、黒cで白がバラバラになります。
  • < 4図 >
     実戦は白1と反発したため、黒2から8まで、強く戦うことになり、難しいながらも少しペースを掴んだ感触がありました。
     善悪は別として、自分の感性を信じた手が良い結果に結びつき、印象に残っています。

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