棋士が選んだこの一手

蘇耀国が選んだこの一手

対局日 1974年12月25日
棋戦名 第22期日本棋院選手権第1局 総譜はこちら
対局者
(段位は当時)
黒 趙治勲六段
白 坂田栄男日本棋院選手権



  • 趙治勲六段
  • VS

  • 坂田栄男日本棋院選手権


< テーマ図(黒番) >
 僕が大好きな勝負師のお二人、趙治勲先生と坂田先生の対局から選びました。地にカライ棋風の趙治勲先生が公式戦で三連星を打つのは珍しい。次の一手は現代の碁につながる斬新な一手でした。
  • < 1図 >
     ここで趙先生は黒1とコスミツけました。今では隅から迫るのは珍しくありませんが、最初に工夫して打ったのは趙先生だったと記憶しています。
  • < 2図 >
     当時は黒1とカケツグのが最も普通の定石。対して白2から24まで三連星の模様を消すのが常識的でした。

  • < 3図 >
     白1以下は実戦の進行です。白は黒の一子を取ってもまだ生きていません。黒は実利を稼ぎながら白の大石を狙っています。この手が有力視され、以降は積極的戦法として多用されるようになりました。
  • < 4図 >
     近年では黒1とケイマすることが多いです。歴代の棋士たちの研鑽と工夫の積み重ねが現代の碁の礎となっているのです。

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