棋士が選んだこの一手

高尾紳路が選んだこの一手

対局日 1978年3月1日
棋戦名 第2期棋聖戦七番勝負第5局 総譜はこちら
対局者
(段位は当時)
黒 藤沢秀行棋聖
白 加藤釼正本因坊



  • 藤沢秀行棋聖
  • VS

  • 加藤釼正本因坊


< テーマ図(黒番) >
 最後の無頼派と言われた師匠の藤沢秀行先生。競輪、競馬で積み重なった借金を返却すべく、決死の覚悟で第一期棋聖位を獲得。しかし、まだ莫大な借金を抱えたまま第二期棋聖戦の防衛戦を迎えます。相手は最強の挑戦者・加藤正夫本因坊。ここでも命懸けの戦いでしたが、断酒の調整に失敗し1勝3敗とカド番に追い込まれます。絶対に負けられない第5局、わざわざ相手の大石を取りに行きます。
 白16に対して黒の応手が難しい。白が生きたら碁はそれまで。黒は何としても白の大石を取らないといけません。
  • < 1図 >
     ここで、黒1が最善手。藤沢秀行先生は、2時間57分の大長考で全てを読み切ったと言われています。これを受けて加藤正夫本因坊も1時間55分の長考に沈みます。
     実は今回の「棋士が選んだこの一手」の企画で偶然にも藤沢里菜さんも全く同じ碁の同じ手を選んでいたので、続きの解説はそちらに任せることにしましょう
     最終的に秀行先生は白の大石を撲滅させて2勝目をあげました。そして続く第六局で逆転勝ち、第七局は半目勝ちで防衛に成功。その後の棋聖六連覇へと続く、渾身の読み切りでした。

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