棋士が選んだこの一手

吉原由香里が選んだこの一手

対局日 1986年10月8日
棋戦名 第11期名人戦七番勝負第4局 総譜はこちら
対局者
(段位は当時)
黒 小林光一名人
白 加藤正夫王座


< テーマ図(白番) >
 この企画のお話を頂いた時にぱっと思いついたのが局面でした。師匠の加藤先生の全集にありました。すでにヨセに突入していますが、ここで白は相手の意表を突く妙手を繰り出します。
  • < 1図 >
     何か手がありそうだけど、なかなか思いつかない…白1はその引っかかる感じをクリアにしてくださった気持ちよい手です。
  • < 2図 >
     実戦は黒は2と打ちましたが、白3に黒4と打つしかなく、白5まで二子を取っては白が得をしました。
  • < 3図 >
     2図の黒4で1とツグのは白2の差し込みが好手でaとbが見合いです。
     テーマ図の白2は1図のツケを見た手で、1時間52分の大長考の末の封じ手でした。この手は名人位を呼び込んだ妙手と評判だったそうです。
     何か手がありそう…でも思いつかない…そんな時にスカッとする鮮やかな手が見えた時は、本当に爽快です。

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