伊田が防衛!六浦を破る【第58期王冠戦挑戦手合一番勝負】


 日本棋院中部総本部所属棋士により行われる第58期王冠戦(主催・中日新聞社)挑戦手合一番勝負が11月13日(月)に岐阜県高山市奥飛騨温泉郷新穂高温泉の「ホテル穂高」で行われた。
 タイトル保持者は伊田篤史王冠。十段のタイトル経験など実績を着実に積み重ねている。挑戦するのは現在ブレイクしている六浦雄太七段。阿含・桐山杯で優勝した六浦は他棋戦でも活躍している。
 対局開始は9時。六浦の先番。持ち時間は4時間、残り時間5分前から秒読み。
 激戦を制したのは伊田。17時2分に終局。174手まで、白番中押し勝ちで伊田の初防衛となった。消費時間は黒3時間28分、白3時間34分だった。

 本局の詳細は、主催の中日新聞の報道、観戦記、週刊碁の記事にてお楽しみにください。

両対局者のコメント

伊田王冠「なんとなく序盤少し打ちやすいぐらい思っていて、全体的には打ちたい手を打てたかと思います。(勝ちを確信した手は?)白132ぐらいになった時は形が決まりコミは出ないと思った。中央がどうなるか分からなかったので、一応見通しが立った。(年下の挑戦者でやりにくさはなかったか?)挑戦者が六浦くんに決まった時はちょっといやな感じはしていた。(羽根)直樹先生から獲って、それまでベテランの先生が争っていたので、やっと獲れたと思っていたら、初めての防衛戦でまさか下の世代が来るとは、と思った」

六浦挑戦者「序盤打っているときは打ちやすいと思っていたが、打ち進めてみるとよくないということに気がついて、その後もちょっとずつミスを重ねてしまって、粘りきれなかったのが残念です。黒83が完全な敗着で、まだ他のところに打って、それでも悪いがそれで打つよりなかった。自分なりに頑張った結果なので、及ばなかったのはまだまだ実力が足りないということなので、もっと強くなってまた来年挑戦できるように頑張りたいと思います」




伊田、勝ってポーカーフェイスといかず笑みがこぼれる


気合十分だった六浦。それだけに悔しさが隠せない


伊田(左)は「初防衛戦でまさか年下の挑戦者とは」と気持ちを吐露


対局が行われたホテルでは大盤解説会も開催。解説は立会の伊藤庸二九段(奥中央)


対局場の「ホテル穂高」は、雪化粧をまとった北アルプスが近い

第58期王冠戦挑戦手合一番勝負

白:伊田篤史王冠 黒:六浦雄太七段 白番中押し勝ち


第58期王冠戦挑戦手合一番勝負を日本棋院ネット対局「幽玄の間」で中継いたしました。

現地陣容

立会・大盤解説
伊藤庸二九段
記録
柳澤理志五段鶴田和志四段

関連記事